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ISBN 10 : 4802133111
Content Description
北海道の鉄道が各地で姿を消そうとしていた時代に渡道を繰り返し、撮影を敢行した野沢敬次氏の写真で、最果て路線を振り返りたい。
厳しい自然環境の下に息づく北海道の鉄道。夏には草いきれで包まれた原野を進み、厳冬期には吹きすさぶ北風に抗い、流氷が押し寄せる海辺を行く。
特に沿線人口が少ない地域が多い道北地方では、雄大な景色の中を走る単行気動車に出くわす機会が多かった。旭川と稚内を結ぶ宗谷本線を軸として、地方の拠点、寒村にまで張り巡らされていた国鉄路線網。開業当初は一日数往復の運転であっても、それらは地元住民にとって欠かせない交通手段だった。
しかし需要規模の小ささ、自家用車の台頭により、昭和末期に入ると多くの鉄路は不採算路線としてバス転換等、廃止の運命を辿った。国鉄の分割民営化に前後して廃止された路線の中には、線路跡等が草木に埋もれて、遺構が見当たらない場所が少なくない。
本書では鉄道が各地で当初の使命を終え、姿を消そうとしていた時代に、日本国内にあって個性的な風土の横顔を求めて渡道を繰り返し、撮影を敢行していた野沢敬次氏(2021年逝去)の写真で、往時の最果て路線を振り返ってみたい。周遊券を手に訪れた、北の大地の記憶を思い起こしていただけたらと思う。
【著者紹介】
野沢敬次 : 1959(昭和34)年大阪府生まれ。「風景の中を駆ける鉄道」をテーマに全国各地を撮影する一方、各地の歴史的建造物の調査・執筆を行う。有限会社STUDIO夢銀河・代表、ユーモアを忘れない律儀な関西人を自負する。日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。2021(令和3)年逝去
堀井敬之 : 1960(昭和35)年。幼少期のプラレールにて鉄道趣味活動が始まる。中学生になり、鉄道模型(16番=1/80 16.5mmゲージ)の収集・工作へと進む。主とする被写体である蒸気機関車(SL)を追い、山口線の「SLやまぐち号」をはじめ、全国各地のSL運転線区に通う。旧知の野沢敬次氏による「STUDIO夢銀河」設立に伴い、本業の傍ら同社の契約カメラマンをつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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