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野呂邦暢ミステリ集成 中公文庫

野呂邦暢

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122069794
ISBN 10 : 4122069793
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

長崎県諫早市を拠点に執筆活動を続けた芥川賞作家・野呂邦暢。端正な文体で読者を魅了した多彩な作品群の中からミステリ作品を初集成。早すぎる晩年の五年間に発表された「失踪者」「もうひとつの絵」「ある殺人」など中短篇八編と随筆八編を年代順に収録する。文庫オリジナル。    〈解説〉堀江敏幸


■目次

 T

失踪者/剃刀/もうひとつの絵/敵/まさゆめ/ある殺人/まぼろしの御嶽/運転日報

 
 U

歯形/作家の眼/マザー・グースと推理小説/南京豆なんか要らない/アリバイ/さよならマーロー君こんにちはモース警部/私のシェヘラザードたち/推理小説に関するアンケート

【著者紹介】
野呂邦暢 : 1937年長崎市に生まれ、諌早市で育つ。作家。長崎県立諌早高校卒業。57年陸上自衛隊に入隊(翌年、除隊)。65年「或る男の故郷」で文學界新人賞佳作。74年「草のつるぎ」で第七〇回芥川賞受賞。76年『諌早菖蒲日記』を発表、諌早の地に根をおろした創作活動を続けた。80年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    野呂さんによるミステリーに関するエッセイや作品を集めてくれたものでひさしぶりに楽しめました。芥川賞を受賞されたときに結構読ませてもらったのですが早逝されてしまい残念です。短編でありながらじっくり読ませてくれます。人間の怖さをよく描いている作品もあります。堀江さんの解説もいいです。

  • まこみや

    野呂邦暢という名前を知ったのは、佐藤正午のエッセイであった。正午さんが、大学時代、手紙を出すほど入れ込んだ作家なんだと記憶に残った。彼の作品に初めて接したのは、『白桃 野呂邦暢短篇選』(みすず書房)だった。豊かな詩情と確たる志を有する端正な文体が鮮烈な印象を残した。しばらくして関口良雄著『昔日の客』(復刊)の中で野呂邦暢の名前に再び出遭った。客と店主とのやりとりを通して本を介した情愛が自然と溢れ出てくるのを覚えて、懐かしい心持ちになった。いま、ミステリが文庫化されて、多くの人々に読まれることを喜んでいる。

  • A.T

    いつのまにか、奇妙な状況にハマってしまう… ヒッチコック映画の「めまい」を想起させるような短中篇小説集。「失踪者」はラストシーンがオープニングにつながって、のっぺらぼーのような島民の網にかかり… 果てしない逃亡は何周目なのか。孤島、座敷牢、憑依する女… 脱出を試みながら、島の秘密を知ってゆくことで高まる恐怖と絶望感。醒めない悪夢が、現実となる時…あぁぁ!発狂しそうな気分がたまらない。

  • くさてる

    ミステリ=謎ということで、謎に満ちた短編とミステリ作品に関するエッセイが収録されている。思えば、著者の作品の中で、わたしが読んでいて本を落としそうになった「愛のためのデッサン」もこの手の心理ミステリの中にいれてもいいかも。人間心理はどこまでも謎めいて、正解がない。「剃刀」がとくに傑作。

  • みつ

    表紙の写真から、かつて読んだ彼の作品(多分『一滴の夏』)の「感触」が甦り、手に取った本。薄曇りの天気、茫漠とした心象、砂浜を通って吹いてくる海風に似た湿り気を帯びざらざらとした肌触り・・それらがもたらす「感触」はこの作品集にも現れるが、ミステリとしては、特に『失踪者』始め長めの3作では、謎の提示と結末という肝心のふたつの点で大きな欠落があり過ぎ、途方に暮れる。『もうひとつの絵』『敵』『まさゆめ』は、幻想的な筆致が幕切れの効果を高める。『剃刀』は志賀直哉の強烈な作品を念頭に置いて読むと、不穏な空気が際立つ。

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