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海軍日記 最下級兵の記録 中公文庫

野口冨士男

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122070806
ISBN 10 : 4122070805
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan

Content Description

事実の忠実なる記録であらねばならない、一行の嘘をも書くまい―。一九四四年九月、三十三歳で横須賀海兵団に入団してから四五年八月に復員するまでの日記を、作家は上官の目を盗み、小さな手帳に書き付けた。それを基に自ら詳細な註釈と補遺を付し、当時の書簡を収めた、敗戦間近の海軍の貴重なドキュメント。初文庫化。

目次 : 昭和十九年(一九四四年)九月十四日‐十二月二十九日(応召、入団/ 一一〇分隊/ 一〇〇分隊(機関科教場))/ 昭和二十年(一九四五年)一月一日‐八月二十四日(一等兵進級/ 横須賀海軍病院/ 湯河原分院/ 田浦山砲台/ 団内病室/ 保健分隊/ 敗戦、復員)

【著者紹介】
野口冨士男 : 1911(明治44)年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部予科を中退、文化学院文学部卒業。33(昭和8)年より紀伊國屋出版部に勤務、『行動』の編集に携わる。のち、徳田秋聲の「あらくれ会」に参加。40年、初の著書『風の系譜』を発表。66年、執筆に15年にかけた『〓田秋聲傳』で毎日芸術賞を受賞。76年『わが荷風』で読売文学賞(随筆・紀行部門)、79年『かくてありけり』で読売文学賞(小説部門)、80年「なぎの葉考」で川端康成文学賞、86年『感触的昭和文壇史』で菊池寛賞を受賞。87年、日本芸術院会員。84年より88年まで日本文藝家協会理事長を務めた。1993(平成5)年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ikedama99

    「雲の墓標」でも感じていたこと、中から見た組織としての軍隊の不条理がひしひしと迫ってくる感じだ。からっとしたものではなく、じめじめとした陰湿な感じがつねにつきまとう感じだ。ここまでして人を集めてそして使えないままで何か腐敗していく感じすらしてくる。あとがきにあるように「近代日本の臨終を描く」内容だとも思う。読み応えある本でした。

  • Ted

    '82年8月刊。○戦争末期に海軍に招集されたロートルが密かに綴った日記。米軍は戦場で鹵獲した日本兵の手帳から情報を読み取ったというから日記は許されていたのかと思っていたが、海軍では防諜上厳禁だったらしい。横須賀海兵団に入隊したとはいえ病弱過ぎて兵舎と病院の往復しかしておらず、戦場経験はゼロ。周囲には仮病を装う兵役忌避者がゴロゴロおり、いつの時代にもこういうクズどもが絶えることはない。インテリらしく控えめな筆致だが随分と惨めな生活で酷い目にも遭ったようだが最前線に投入された兵士の労苦に比べれば児戯に等しい。

  • yoyogi kazuo

    読むと、日本の軍隊に召集されるとはどういうことなのかが分かる。それは人間が「牛馬あつかい」されることである。野口は戦場に赴くことはなく、召集後に病気になり栄養失調に苦しみ入院していたのだが、廊下に並ばされ、臀部へのバットでの殴打を繰り返し受けていた。上官がぬくぬくとした部屋で贅沢な料理を食らっている横で、下着のみで極寒に晒され、急性肺炎で次々と息絶える仲間たちに手を差し伸べようともしない、自らの命を守ることに精一杯の下級兵士たち。野口の筆致は過度の憤りや自己憐憫に流されず、作家の面目躍如といっていい。

  • 暴力、不潔、不正義、差別、イジメ、疾病、絶望、暗愚…戦争と軍隊の本質が目一杯詰まっていて、本当に吐きそうだ。 こんな時代に生まれてしまった人たちに心の底から同情するし、こういう時代に戻そうとする連中のことを憎まずにはいられない。

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