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みんなで戦争 銃後美談と動員のフォークロア

重信幸彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787220820
ISBN 10 : 4787220829
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

満洲事変から日中戦争へと続く戦時下の日常=銃後は、プロパガンダを意図した「愛国の物語」にあふれていた。銃後美談にこびりつく戦意高揚や動員の言葉を慎重にはぎ取り、戦時下に漂う「空気」を析出して、総力戦下の矛盾や善意という暴力を浮き彫りにする。

目次 : 美談の読み方―からみつくつながりと銃後/ 第1部 銃後美談とは何か(銃後美談集を編む/ 銃後美談と活字メディア/ 増殖する銃後美談)/ 第2部 銃後美談が動員する社会(応召する男たちをめぐって/ 納豆を売る子どもたち/ 妻そして母たちの銃後/ モダンガールと少女たちの銃後/ もう一つの銃後)/ 動員と「弱さ」をめぐって

【著者紹介】
重信幸彦 : 1959年、東京都生まれ。専攻は民俗学、口承文芸学、近代都市生活文化研究。慶應義塾大学文学部卒業、筑波大学大学院博士課程歴史人類学研究科単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hitotak

    戦時中に雑誌や新聞で報道された銃後美談の数々を紹介している。徴兵されるも即日帰郷になった息子を再度徴兵してほしいと訴える両親、稼ぎ手が戦死して貧窮する母子家庭への善意の援助等の美談の数々は、同調圧力と周囲の視線に耐えかねての行為ではなかったか。又、子供たちが納豆売りをして兵隊さんの為にと献金し、留守家族へ押しかけて手伝いを申し出るなど、純真ゆえに過剰に愛国心を燃やす姿は大人たちに迷惑がられながらも戦意高揚に利用されていく。世間の「空気」を読まざるを得ない銃後の庶民の生き辛さは、現代にも通じるものを感じた。

  • wakazukuri

    民俗学者による銃後美談「みんなで戦争」。恥ずかしながら銃後という言葉を初めて知った。銃後の文字から想像したものとは違った。読み始めて、この本を選んだのは自分としては間違いだったのかと読み進めなかった。しかし、事例などを紹介しながらの話は興味深く、のめりこんだ。出征した兵士も残された家族ほか銃後の日常も、お国のためと一丸となった実例を数多く上げている。しかし、その美談も時として暴力となりうることをあげ、なるほどと思った。戦後に生まれたわが身を幸せだと思う。

  • nob

    軍事扶助を辞退する応召兵の家族、献金するために納豆売りをする子供たち…「銃後」すなわち戦時下の日常生活のなかの「美談」は、軍の戦意高揚策であると同時に、大衆の間に自発的に生まれた「空気」の産物でもあった。美談に登場する人々の行動が、純粋な思いによるものか、周囲の無言の圧力によるものか、本当のところはわからないが、「空気」というやつが個別の事情を押しつぶしていくことは間違いない。今でも、「美談」として報道される出来事に気持ち悪さを感じることはある。確かに「戦中から現在まで」動員はつづいているのもしれない。

  • ぞだぐぁ

    サブタイトルに「フォークロア」ってあるように、銃後美談が新聞等のメディアだけでなく伝聞等による変化してった様子についても書かれた本。 働き手を失って収入を失ったor大幅に減らした家庭がもらって当然な軍事扶助についても貰わないことが美徳と言うか貰うと恥って今の生活保護にも繋がる発想は他の本でも書かれている物はあったが、「犠牲のそぶりを競う」って考えは考えさせられた。しかもそれを利用した詐欺だとか、招集関連の手続きする者が出征して一人になった妻や未亡人に性的暴行を行ったって事件等の記事もある。

  • ガジ

    おすすめされた本!メディアのお話が素材なので分析とっても参考になった。個人的には5章〜8章が、銃後の子供・女性がそれぞれの役割に基づいた美談を繰り広げ(させ)られてるのが面白かった。

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