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不穏な熱帯 人間以前と以後の人類学

里見龍樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309231211
ISBN 10 : 4309231217
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

フィールドワークに基づく近代人類学の誕生から100年、「ポストコロニアリズム」「存在論的転回」「マルチスピーシーズ民族誌」などを経て、人類学はどこへ向かうのか?南太平洋でのフィールドワークと哲学/思想や文学を峻烈に交差させ、人類学を「外部としての自然」へと解き放つ新たなる思考。人類学的思考の根源を現代に回復し、世界の見方を根底から変える衝撃作!

目次 : はじめに―「ツナミ」の後で/ 第1部 他者(人類学/民族誌の現在/ 浮上する「自然」)/ 第2部 歴史(歴史に抗する島々/ イメージとしての島々)/ 第3部 自然(生きている岩/ 沈む島々)

【著者紹介】
里見龍樹 : 1980年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程単位取得退学。博士(学術)。早稲田大学人間科学学術院准教授。専門は文化人類学、メラネシア民族誌。著書に『「海に住まうこと」の民族誌―ソロモン諸島マライタ島北部における社会的動態と自然環境』(風響社、2017年。第四五回澁澤賞、第一七回日本オセアニア学会賞を受賞。また同書のもととなる博士論文に対し第一五回アジア太平洋研究賞を受賞)、『二十一世紀の文化人類学 世界の新しい捉え方』(新曜社、2018年、共著)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 塩崎ツトム

    拙著「ダイダロス」ではかなり知ったかぶりをして文化人類学について書いたんだけど21世紀の文化人類学はとても先を行っていると知ってのけぞってしまった。(なので舞台を70年代初頭にするという予防線を張った)まあ愚作のことは置いといて、読み終わって腕を組んで考え込んでしまった。ただ自然は無限大の広さに存在していて、ぼくらはそこからただで利益を得ていて、手の届く範囲の資源は消費されるし、遠くのものはぼくらを圧倒しすぎるし、そこで境界にある自然に対して、手を伸ばすか、引っ込めるか……。

  • mikio

    「グローバルな気候変動による海面上昇により、ソロモン諸島の、サンゴ礁に築かれた人工の島々におけるアシの生活は、もはや居住不可能であり深刻な危機に瀕している。」温暖化の影響について語られる報告のひとつ。しかし本書は、それが(それだけが)事実ではないことを、人類学の系譜の説明とともに、昨今のムーブメントである存在論的転回をアプローチに、フィールドワークで得た調査をもとに「広義の自然」を主題として考察を進める。人類学の先生のお仕事も肉体労働だ。先生の研究熱が伝わってくる熱い(厚い)本でした。

  • 瀬希瑞 世季子

    "「外部」としての自然"自体は間違ったことを言っていないと思うが、それがなぜ自然/社会の二元論、関係論的な一元論からの逸脱となるのかは疑問。ネットワークの中の別々のアクターが交わる箇所をレトリカルに言っているだけで、結局一元論のように見える。

  • 文狸

    マリノフスキから古典的な意味での人類学の確立、『文化を書く』以後のポストモダン人類学を経て、現在席巻している存在論的転回へと至る流れのクリアカットな説明が、自らのフィールドでの思索と並行して紡がれていく恐ろしい本。「現代人類学入門」として1冊目にこれを勧めてもよいだろう、と思えるくらいの完成度であった。

  • 放伐

    人類学に明るい人がこの本をどのように位置付けるかはわからないが、少なくとも人類学について、構造主義の入門書にあるようなこととかクラ交換とか、そのくらいの知識しかない人にはぜひ読んでもらいたいと心底おもった。「入門書っぽさ」はないかもしれないが、人類学にかすかに興味のある人にとり、この上なく優れた導入をしてくれる。寡聞ながら、この本より示唆に富む本は見たことがない。

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