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落語に花咲く仏教 宗教と芸能は共振する 朝日選書

釈徹宗

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022630544
ISBN 10 : 402263054X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
釈徹宗 ,  

Content Description

仏教を知れば、落語は何倍も楽しめる。宗教学者であり僧侶でもある著者が、小さい頃から親しんできた落語と宗教がじつは密接なつながりをもつことに着目し、歴史的に文化的に人間学的に読み解く。芸能の発生には宗教の儀礼がふかく関係し、古代の社会では宗教と芸能とアートは渾然一体となっていた。日本の「語り芸能」や「話芸」は仏教の説教の影響が大きく、説経節、講談、浪曲、落語などには仏教的要素があふれている。江戸時代の落語の祖である策伝上人『醒睡笑』から、現在の「八五郎坊主」「子ほめ」「平林」などの源流をさぐり、僧侶や宗派仏教を揶揄する噺を読み取り、宗教や芸能が交叉し響き合う部分を見通す。それは現代人の宗教性を成熟させる道のりでもある。「蒟蒻問答」「始末の極意」「後生鰻」「松山鏡」「宗論」など人気の噺の理解がぐっと深まる。

目次 : 第1章 人類の過剰な領域―宗教と芸能(宗教・アート・芸能・科学の源泉/ 宗教の原型と芸能の始まり ほか)/ 第2章 日本仏教文化、発動!(幻の儀礼芸能「伎楽」/ 法要文化の成熟 ほか)/ 第3章 日本仏教と芸能(散楽、猿楽、田楽、そして勧進興行/ 日本仏教と能楽との関係 ほか)/ 第4章 説教の展開と落語の誕生(傑僧・日快の活躍/ 『醒睡笑』を読む ほか)/ 第5章 互いに響き合う説教と落語(仏教各派と落語のネタ/ 落語の中に交錯する宗教性 ほか)

【著者紹介】
釈徹宗 : 1961年生まれ。宗教学者・浄土真宗本願寺派如来寺住職、相愛大学人文学部教授、特定非営利活動法人リライフ代表。専攻は宗教思想・人間学。大阪府立大学大学院人間文化研究科比較文化専攻博士課程修了。その後、如来寺住職の傍ら、兵庫大学生涯福祉学部教授を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ネギっ子gen

    【仏教を知ると、もっと落語が楽しめる!】宗教学者で僧侶の著者が、歴史や文化の面から日本仏教と芸能の関わり、落語の源流にある説教、各宗派と落語などを読み解いた書。「蒟蒻問答」「寿限無」「宗論」と色々あるが、なんとも面白いテーマだ。<噺の終盤を少し変えれば立派な説法になる落語は結構ある。噺を合法(仏法へと話を導く)すれば、まるでそこは法座/もし「小言念仏」の噺をさらに続け、「そして、このようなあさましい私の口からお念仏が出る。それこそが阿弥陀さまのご本願…」とつなげていったなら、それはもうお説教である>と。⇒

  • ミー子

    タイトルから、軽く読める本かと思いきや、内容は重厚。でも面白かった。落語のことが出てくるのは第4章以降で、第3章までは日本の伝統芸能と宗教との関係や歴史などだが、神楽も落語も仏教も好きな私にとっては、面白く読めた。落語って、歴史的にはこんな成り立ちだったんだなぁ。桂、立川、笑福亭などが江戸時代から続いてるというのも初めて知った。落語はやっばり、世界に通じる、素晴らしい本物の「芸」だと改めて思った。

  • hayatama

    著者が、この本は少し難しいですよ、と予告していたが、分かりやすい語り口は健在。内容が非常に多岐にわたっており、日本における宗教と伝統芸能の関連性がこれでもか、と畳み掛けられる。まるで論文を入門者向けに書き直したような感じだなぁ、と思っていたら、大学での連続講義をベースにしているとのこと。なるほど。あたしは、元落研なんだけど、知らないネタがたくさん出てきてふーんと思いました。弱法師に関しては、釈先生はあちこちで取り上げてて、本書でも出てくるんだけど、大阪の宗教性の基本となる話なんだなぁと再認識。

  • yone

    落語のネタ元に仏教があるというのも面白い。分かりやすく人を惹きつけるためには笑いや芸能的な要素が必要だったということか。笑うとういうことの宗教的な意味はあるのかなあ。

  • Hatsumi Sakoda

    宗教が様々な芸能や芸術の元となっているのは洋の東西を問わない。その一方で芸能や芸術が宗教や文化の境界線を軽々と越える、というのも確かだと思われる。比較宗教学の専門家にして僧侶でもある筆者ならではの考察も面白い。舞と踊りの違い、とても納得。

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