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ハリネズミ・モンテカルロ食人記・森の中の林

鄭執

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784908184529
ISBN 10 : 4908184526
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
関根謙 ,  

Content Description

北京へ、ニースへ、降りしきる雪の中へ、そして日本の桜の下へ。
シャーマニズムの香り濃い故郷瀋陽の街から、青年は逃奔するーー

鄭執は作家・脚本家・映像作家として活躍する中国の若きクリエイター。80後(バーリンホウ)世代※の旗手。
初邦訳となる本書には、中国東北部の中核都市である故郷・瀋陽の街から、あるいは鬱々と・あるいは劇的に・あるいは飄々と逃奔する青年を主人公とする、三つの物語を収録。
(※80後世代:80年代後半生まれ。中国の一人っ子政策の申し子で、他の世代より恵まれた経済環境に育ち、国際的な視野も経験も十分とされる)

【各作品紹介】
「ハリネズミ」 
シャーマニズムの色濃い街で繰り広げられる不条理な茶番劇。周囲から変人扱いされてきた伯父と内向的な主人公が40歳の年の差を超えてかわす魂の交流。
「モンテカルロ食人記」 
厳しい受験戦争に疲弊した主人公。その鬱屈する愛憎の相剋から溢れ出すエネルギーが巻き起こす、吹雪の街の奇譚。
「森の中の林」 
「四人で五つの良い目を持つ」という祖父、父、息子、三世代の家族。それぞれの人生と愛、そして一つのミステリー。

【著者紹介】
鄭執 : てい・しつ。1987年、中国・瀋陽生まれ。作家、脚本家、映画監督。香港バプティスト大学で映像・メディア論を学び、卒業後、台湾で脚本を学ぶ。北京在住。2009年、19歳でインターネット上に発表した自伝的小説「浮遊(浮)」がセンセーションを巻き起こし、以降、多くの小説を発表。「ハリネズミ(仙症)」で2018年「匿名作家計画」最優秀賞受賞。原作の映画『刺〓(ハリネズミ)』(監督・顧長衛)では脚本も担当。2024年、同作品で第26回上海国際映画祭最優秀脚本賞を受賞

関根謙 : 1951年、福島県生まれ。慶應義塾大学名誉教授。専門は中国現代文学。慶應大学文学部長をへて、現在、季刊文芸誌『三田文學』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • たっきー

    タイトルにもなっている3作品を収録。普段読む機会のない中国文学だったが、いずれも面白かった。特に「ハリネズミ」が好み。作家解説によれば3作品とも「過ぎ去ってしまった物語」を描いているとのこと。著者が生まれ育ってきた遼寧省という場所が全くわからなくて、隣国のことをもっと知っておかないとなという気持ちにもなった。その地域の文化的な背景がわかればもっとこの作品を楽しめる気がする。

  • 練りようかん

    表紙のフォントに惹かれた。三編のうち最も面白かったのは「ハリネズミ」。主人公の語りは快活だが描かれることは快くなく、そのギャップはミステリーのわからなさと似ていて引き込まれた。ならべ方が違えば全く別物だったと思う情報開示の上手さが鮮烈。それはダメなんじゃ等と気付けば感情移入し、ハリネズミを食べる伯父が喰らってやるという気概の顔つきで脳内リピートされた。主人公の過去が現在にふわりと着地するのも良いな。訳者解説でアニミズムや知性を挙げていて納得。加えて信じることとは何だろうと思い続けたことが心に残った。

  • おだまん

    平凡だけど個性的な家族を取り巻く青年が主人公の3篇の物語。中国の家族観が色濃い作品であったと思う。それぞれの主人公を応援したくなってしまう。ハリネズミが一番好き。

  • 冬薔薇

    生きるということは、と考えさせる。「森の中の林」が一番好み。加海は盲目の娘を育て、自身も新開により片目を失うも、彼の人柄を見込んで娘の婿にする。年月をかけ裁判で汚名を注ぎ潔白を勝ち取った。秀義を慕うも思いを断ち切り、娘を理不尽にも事故死で失うが激情に駆られることなく、犯人の告白を待つ。コツコツと自分のなすべきことを成し、呂の植林を完成させる。加海の生き様が読ませる。

  • 19番ホール

    翻訳大賞をとった中華式マジックリアリズム短編集。どの物語も家族と語りがテーマで、過去との薄い繋がりがぼんやりといまへ接着されていく、その隙間が幻想でのり付けされる小説だった。語り手は現代にいるのにどうも(いい意味で)土くさい匂いがする文章で、意外とこれが中国文学ぽさなのかも、などと思ったり。

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