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南米「棄民」政策の実像 岩波現代全書

遠藤十亜希

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000291880
ISBN 10 : 4000291882
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2016
Japan

Content Description

一九世紀末から二〇世紀半ばにかけて、新天地を求め未知の地である中南米に移住した約三一万人の日本人。その多くは、日本政府が奨励・支援した「国策移民」だった。これまで、人口増加や貧困への対策とされてきた日本の移民政策が、「不要な人々」を国内から排除したうえで、移住先の現地において再び「国民」として統合し、利用するためのものであったことを明らかにする。

目次 : 第1部 日本人南米移民の歴史(戦前の移民―招かれざる東洋人/ 戦後移民―「楽園」という名の地獄へ)/ 第2部 国策としての南米移民(移民支援制度の構築/ 移民推進政策の復活)/ 第3部 移民政策のポリティクス(移民はどこから来たか/ 戦前、移民前夜の政治状況/ 政治的ガス抜き装置としての南米移民(戦前)/ 戦後保守政治と南米移民/ 南米移民政策の政治的意味/ 国家建設に動員された南米移民)

【著者紹介】
遠藤十亜希 : 津田塾大学国際関係学科卒、テキサス大学修士号(ラテンアメリカ研究)、コロンビア大学修士号(政治学)、コロンビア大学博士号(政治学)取得。ニューヨーク州立大学ファッション工科大学教養学部助教授を経て、現在、ハワイ東海インターナショナルカレッジ教養学部教授。研究テーマは国家と市民と移民政策。日本の移民政策や、近年のグローバルに輻輳する世界における「移民」の意味を追究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Ai

    棄民という強烈な言葉。人口調整に端を発し、部落民や活動家気質の労働者たちをよそへやろうとする思考が働いていたとは。一方今は、少子化で逆に移民を受け入れないといけない現状。あまりにも無計画な当日の政治体質が、今も変わっていない感触を受ける。

  • Mealla0v0

    南米移民には謎が3つある。@なぜ日本よりも低い経済へ向かったのか、A国策移民は単なる人口問題ではない、Bなぜ山陽・北九州の人々が移民として送り出されたのか。著者はこれに答えを与える。@日本で生かせない人口を外へ、たとえ経済的に劣った場所であっても排出したかったというのだ。A戦前の帝国主義的膨張、日系社会を使った資源確保、遠隔ナショナリズムのため。国威発揚だ。B山陽=軍需工場・九州=炭鉱の労働者が労働運動を行い赤化していったことに懸念し国外に放逐しようとしたという。――移民政策が棄民化していったとの指摘だ。

  • takao

    東北は満州へ、山陽・北部九州からは南米へ移民。移民は国策として、地方の貧農や失業者をターゲットとした。部落解放の点からも移民が想定された。

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