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日本の後宮 天皇と女性たちの古代史 中公新書

遠藤ミドリ

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121028709
ISBN 10 : 4121028708
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

男性君主のために集められた女性たちと、彼女らが住む空間を指す後宮。天皇家の安定した皇位継承のために作られた。
平安時代初期、桓武天皇、嵯峨天皇には各々35人、45人に及ぶ皇子女がいたが、そこには彼らを産んだ20人以上の妃・夫人・嬪・女御・更衣という後宮のキサキたちがいた。
日本では当初、男子禁制ではなかったが、中国由来の制度の影響を受け変貌していく。本書は起源から平安末期までの歴史を追い、その実態を描く。

【著者紹介】
遠藤みどり : 1981(昭和56)年神奈川県生まれ。福島県出身。2003年東北大学文学部人文社会学科卒業。11年東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。宮城県公文書館専門調査員、日本学術振興会特別研究員などを経て、20年お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系助教。24年より同准教授。専攻・日本古代史。著書『日本古代の女帝と譲位』(塙書房、2015年。第11回女性史学賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • neimu

    高校時代の古典、永井路子や田辺聖子の小説、長岡良子や山岸凉子の漫画でワクワクした古代ロマン、卒論で取り組んだ上代文学の世界を読み解くときに知っておきたかった知識が満載。表や家系図を駆使して比較されているのでわかりやすい。特に、女性官人の活躍、結婚の形態や女性の地位・経済力等、興味は尽きない。夫婦別姓、別居婚・通い婚に思い入れのある人間としては、奥まった後宮に囲い込まれていく過程は考えさせられるものがある。もっとも、いつの時代にも自分の考えと行動力を持つ女性はいただろうが。天皇との関係から整理された女性史。

  • よっち

    男性君主のために集められた女性たちと、彼女らが住む空間を指す後宮。中国由来の制度の影響を受け変貌する日本の後宮の起源から平安末期までの歴史を追い制度と実態を描く1冊。古代日本女性の地位と世襲王権が成立する中で序列化されていく女性たち。妃・夫人・嬪や律令制下の女官である氏女と采女といった令制キサキの待遇と役割。平安時代初期に後宮が急拡大し、制度が複雑化していく中で政治と女性の関係は深く絡み合っていて、実際には男女が共同で奉仕して、女官たちも必ずしも天皇の側室ではなかったという点はなかなか興味深かったですね。

  • MUNEKAZ

    題材から勝手に逸話メインの内容かと思っていたが、がっつり制度史の話だった。中国由来の律令制を導入したことで、古代日本の後宮、なかんずくキサキの立場はどう変化したのか。次期天皇の「母」として、天皇から独立した封戸を持っていたキサキが、天皇と同居し天皇に従属する「妻」に変化したこと。男性と同等に位階をもらい、天皇のために働いていた女官が、皇后に仕えて天皇の性愛の対象と見られる存在になったこと。この2点を示すことで、王朝が「双系社会」から「父系社会」へと大きく変貌したことを指摘する。通説を見直す刺激的な一冊。

  • さとうしん

    日本古代の後宮がテーマだが、それに関連して後宮制度以前のキサキ制の確立、女性皇族の立場、女官制度の変遷、妃・夫人・嬪制の崩壊など、宮中の女性にまつわる制度面についても議論している。日本古代の女官がイコール天皇の妻妾というわけでもなく(結果的にそうなるということは多々あったようだが)、従って宮中に住んでいるわけでもなく、更に男女共同で天皇に奉仕していたというのが意外だった。

  • みさと

    5世紀頃までの日本は、父方母方双方にゆるやかにつながる親族構造を持つ双系的社会だった。婚姻による結びつきよりも、母と子の関係が重視された。女性の地位も高く、奈良時代は男性官人と女性官人がともに天皇に仕え、天皇のキサキも独立した家を持ち同居していなかった。7〜8世紀、男性天皇と同じ数の女性天皇が統治を行った。しかし、男性中心の父系社会であった中国で成立した律令を導入以降日本社会は次第に変質していく。平安期、中国と同じような後宮が成立し、女性は政治の表舞台から消えていく。新たな視点を与えてくれる書で興味深い。

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