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森栄莞爾と十二人の子供たち

逸木裕

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784120059445
ISBN 10 : 4120059448
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2025
Japan

Content Description

「精子提供した男を、父だと認める人、挙手を――」

全員賛成+名前公開で1000万円。
全員一致で反対だと、100万円。

遺伝子の半分を共有している十二人の子供たちの心理戦が、はじまった。

本格ミステリ大賞受賞作家・逸木裕の意欲作!

【著者紹介】
逸木裕 : 1980年東京都生まれ。学習院大学法学部法学科卒。フリーランスのウェブエンジニア業の傍ら、小説を執筆。2016年『虹を待つ彼女』で第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。『五つの季節に探偵は』に収録された短編「スケーターズ・ワルツ」で第75回日本推理作家協会賞〈短編部門〉を受賞。『彼女が探偵でなければ』で第25回本格ミステリ大賞〈小説部門〉を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    SNSを通じた精子提供で50人以上の子を儲けた人がいる。あくまでボランティアであり、対価は受け取っていないという。しかし地位も名誉も財産もある著名人が百人以上の子を作っていたら、否応なく理由や思惑を考えてしまう。そんな事実を知らされた12人の男女が生まれた事情を探し求める姿は、本人は真剣だろうが滑稽ですらある。彼らにも思いがけず知った話を有利に導こうとの思惑が生まれ、計画したり右往左往するのだから。しかし隠された真実が明らかになった時、人の倫理と父親の苦衷を両立させる方法は他になかったのか答えは見えない。

  • オーウェン

    経営者の森栄莞爾が遺した精子提供による105人の子供たち。 そのリストが流出する事態になり、それを改善するため集められた12人の子供たち。 ここから莞爾を父とするのかしないのかで議論が始まる。 育ての親と、精子の提供者。どちらが真の父親なのか。 12人の1人である健太は自身の出生に悩み、莞爾の生い立ちを調べていく。 そもそもなぜ莞爾は精子提供したのか。 その意外な事実が最後に飛び出すが、健太の選択もまたそれを受け入れてゆえの結論。 集められた12人の繋がりも意味があった。

  • ぽてち

    ビジネスホテルチェーン〈ラ・フォレ〉の創業者である森栄莞爾が死去して4年後、彼が生前行っていた行為の記録が流出する。彼はAID(非配偶者間人工授精)のドナーで、彼が提供した精子によって105人もの子供が生まれており、流出したのは彼らの個人データだった。森栄の右腕だった支倉により連絡のついた12人が呼び出され奇妙な依頼を受ける。男はいかにして父親になるかという命題の変種か。ミステリー仕立てではあるものの、いささか苦しい。最後に明らかになる真相も突飛すぎてついていけなかった。逸木さんにしては……という印象だ。

  • よっち

    カリスマ経営者・森栄莞爾が精子提供で105人もの子供を作っていたことが判明。森栄の子供である可能性を突きつけられた人々を描いたミステリ。同じ境遇の12人とともに森を父親として認めるか否か、議論する会合に参加した健太の視点から描かれる物語は、各人物の背景や価値観が少しずつ明らかになっていく一方、自らもまた恋人が妊娠して父親となることに葛藤を抱える展開で、育ててくれた人と遺伝子上のどちらを父親と呼ぶべきなのか、意外な真相に直面する中で、血縁を超えた人間関係の可能性を感じさせてくれた結末はなかなか良かったです。

  • rosetta

    ★★★☆☆日本有数のホテルチェーンのオーナーであった森栄莞爾は人工授精のドナーとなって105人の子供を作った。そのうちの14人が彼の死後館に集められ森栄莞爾を父親と認める声明を出すように森栄の仕事とパートナーであった老人に頼まれる。父親とは、家族とはと改めて深く考え尽くす異母兄弟たち。森栄がそんなにもたくさんの子供を残した理由とは!?物語の大きな動きよりも思考が先行して、単純に楽しむだけの話ではなかった

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