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五つの季節に探偵は 角川文庫

逸木裕

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041150184
ISBN 10 : 4041150183
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2024
Japan

Content Description

私立探偵として活動するみどり。“人の本性を暴かずにはいられない”彼女は、いくつもの事件と対峙する――。第75回日本推理作家協会賞〈短編部門〉受賞! 精緻でビターなミステリ連作短編集。

【著者紹介】
逸木裕 : 1980年東京都生まれ。学習院大学法学部法学科卒。フリーランスのウェブエンジニア業の傍ら、小説を執筆。2016年『虹を待つ彼女』で第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。22年「スケーターズ・ワルツ」で第75回日本推理作家協会賞“短編部門”受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ぽてち

    2022年1月に刊行された単行本に加筆修正のうえ文庫化されたそうだ。単行本は未読のため違いはわからない。サカキ・エージェンシーという探偵事務所を経営する父を持つ榊原みどりが主人公の5篇で構成された連作短篇集だ。2002年の春に始まり2018年の春で終わる。初登場時のみどりは高校生で探偵ではない。その後、年月の進行と共に彼女の立ち位置が変化していくが、性格は揺らがないのがおもしろい。ミステリーとしては派手なものではないけれど、日本における探偵小説はこのくらいがちょうどいい。

  • よっち

    人の心の奥底を覗き見たい。暴かずにはいられない。そんな厄介な性質を抱える探偵・榊原みどりが出会った5つの謎と成長の連作短編集。高校時代の同級生からの依頼に見出す隠された人の本性、調香師の師匠が龍涎香を盗んだ理由、ストーカーの誤解と自転車のチェーンが壊された理由、指揮者とピアノ売りの間に起きた出来事の真相、エアドロップ問題と新人探偵の苦悩。エピソードを通じて描かれる自分が探偵に向いていると感じ、本質的に求めてしまうことに対する葛藤、ほろ苦い結末に向き合い、乗り越えてゆく彼女の成長がとても印象的な物語でした。

  • ☆Ruy

    初作家さん。父親が探偵の高校生が探偵の仕事に目覚め成長する16年間の話。成長というより時の流れとその間の探偵業務に関係する5つのミステリー。知られたくないこと心の中の秘密や嘘を暴かずにはいられない難儀な女探偵さん。そのために危険な目にあったり友達なくしたりそれでも止められない。学生の頃から大人びて冷めた感じの性格なのに判断はいつも危ない橋を渡る方を選ぶ。探偵だけど一歩道を誤れば追われる側になってしまいそう。読んでいて自分の方が彼女の行動を追う探偵のような気分になってドキドキする。

  • geshi

    隠された〈人間〉の本当の姿を見たい探偵の業を描く短編集。『イミテーション、ガールズ』最初の事件としてはビターすぎる。犯人を暴いた後のみどりの突きつけが恐い。『龍の残り香』倒叙方式がキリキリ迫られ秘密を暴かれる嫌さを強調している。『開錠の音が』不可解な日常の謎が冒頭のフリと繋がりタイトルで締める巧さが光る。『スケーターズ・ワルツ』雰囲気を変えたロマンチックな描写が先入観を覆い隠す。『ゴーストの雫』女性に押し付けられる偏見の残酷さが重層に重ねられた物語。その中で要が一服の清涼剤。

  • のんちゃん

    探偵を父に持つみどりは高二の春にある事件を解決して以来、探偵業にのめり込む。大学を終えると父の会社に就職し、探偵の仕事を始める。彼女の高二から16年間の探偵物語。話はまだまだ続く様だが。みどりは高二の時の事件を通して、人の奥に潜む人間の本質の様なものを垣間見る事にとても興味を抱く。それが不幸な調査結果の産物だとしても。日本推理作家協会賞の短編部門を受賞した一編も所収してあるが、私は防犯を扱った「解錠の音が」に唸った。然し乍ら探偵には少しの違和感を見逃さない事や物事を多方面から見る事が必要。私には無理だ。

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