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家守綺譚 上

近藤ようこ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103564713
ISBN 10 : 4103564717
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

亡友の家で待っていたのは四季折々の草花と、ちょっと不思議な毎日でした。時は明治時代、文筆家・綿貫征四郎は、亡友の家の「家守」として暮らすことになった。待っていたのは白木蓮や都わすれ、萩、サザンカなど植物に満ちた庭。そして、サルスベリに懸想されたり、河童の衣を拾ったり、化狸を助けたりといった不思議な出来事が次々と起こり‥‥。梨木香歩の傑作小説を巨匠・近藤ようこが漫画化。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • chimako

    大好きな大好きな『家守綺譚』の漫画。近藤さんの絵もこの世界観にぴったりで素晴らしい。小説で初めて『家守綺譚』を読んだときの事を思い出す。えもいわれぬ読後感で綿貫も高堂もゴローもおかみさんも好きになった。ゴローがやっと帰ってきたときの嬉しさも思い出した。その雰囲気を壊すことなく、温かい筆で登場人物を見られる幸せ。綿貫と高堂の間柄も、ゴローやおかみさんとの関わりも嫌みなく楽しめるのは近藤さんの絵によるところも大きいね。これは小説とともに自分の本棚に置きたい。下巻も楽しみです。

  • 天の川

    近藤ようこさんの絵が本当にピタリとはまる。彼岸と此岸をするりと抜ける不思議な空間がごく自然にそこにある…誰もがそれを受容しているのだ。梨木さんの小説もとても好きだけれど、近藤さんの作品としてもとても美しい。亡き友の家の家守となった綿貫の元に訪れる友の高堂や和尚(?)、河童…。可愛い犬のゴローもどこかに通じているようで。明治時代、万物に精霊が宿ることが当たり前として許容された最後の時代なのかもしれないと思った。

  • へくとぱすかる

    原作を読んだのは5年前。改めて視覚化された作品を読むと、時代の雰囲気、今の世界からは失われた生活・自然の繊細さが直にわかる。空白を活かした画面や細い描画からは静けささえも感じる。疏水や毘沙門などの言葉、突堤のレンガのトンネルを歩いてぬける描写など、現代の風景を思い浮かべて綿貫のいた時代(明治とオビに書いているが、旧東海道が「駅の南側」になったのは大正の後半)を空想するのは楽しい。まだこの奇譚のような怪異(親友の高堂が出没すること自体もそうだ)が身近であったのが、良き時代とみるべきか否か。下巻も読みたい。

  • ぐうぐう

    近藤ようこが『高丘親王航海記』をコミカライズした時、澁澤龍彦との相性の良さからの連想で、ひょっとしたら梨木香歩作品を、特に『家守綺譚』をコミカライズしたら面白くなるはず、との発想が湧いてきても良さそうだったのに、そのコラボの連想が本書を手に取るまでまったくできなかったのが悔しい。それほどに本作は素晴らしい出来なのだ。原作を踏襲した展開は、ややもすれば原作依存に見えてしまうが、近藤ようこは漫画であることの効用を充分に理解し、そして存分に発揮している。(つづく)

  • まさ

    ゆっくりと読もうと思っていたのに、手元に届くとこれまで文庫で読んでいたイメージと重なって、すぐに惹き込まれ、上巻を読了してしまった。梨木香歩さんの文――人や風景、自然の少しずつの動き――が近藤ようこさんの描く絵で表現され、そして、自分の思い描いてきたものと被るから、なおのことこの作品が好きになる。あぁ、この時間・空間の中に浸りたいなぁ。梨木作品では綿貫視点だけど、この作品ではゴローや隣りのおかみさんもよい演出になっていますね。 こちらもこれから何度も読むだろうな。下巻へ。

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