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ホタル帰る 特攻隊員と母トメと娘礼子

赤羽礼子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784794218025
ISBN 10 : 4794218028
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

出撃の前夜、特攻隊員の宮川軍曹は「小母ちゃん、死んだらまた小母ちゃんのところへ、ホタルになって帰ってくる」と鳥浜トメに言い残し、鹿児島県知覧基地から出撃していった。その夜、トメの家には本当に一匹のホタルが入ってきた…。大戦末期、軍の指定食堂で特攻隊員たちを親身に世話した鳥浜トメの姿を、娘の礼子が自らの体験を交えつつ語る。戦争の真実の姿がここにある。

目次 : ホタル帰る・戦中篇(知覧/ 少年飛行兵/ 特攻始まる/ 群像/ 命ある限り/ いまひとたびの逢ふこともがな/ アリランの歌声/ たとえ手は動かずとも/ ホタル帰る/ 神々のたそがれ)/ ホタル帰る・戦後篇(アメリカ兵の母/ 人類の母/ 観音像建立/ 日はまた沈む)

【著者紹介】
赤羽礼子 : 1930(昭和5)年、鹿児島県知覧生まれ。45年2月、県立知覧高等女学校3年進級を前にして、勤労動員で知覧の特攻基地へ、隊員の世話をする。動員解除後も母トメのもとで世話を続ける。56年、東京服飾専門学校師範科卒業。教師となる。59年に赤羽茂一と結婚。二児の母に。70年、新宿に元特攻隊員が集まる場所として酒亭「薩摩おこじょ」を開店。2005年10月、逝去

石井宏 : 音楽評論家。1930(昭和5)年、東京生まれ。44年、航空兵を志願、新潟地方航空機乗員養成所本科六期生となる。終戦後、旧制湘南中学校、旧制静岡高等学校を経て、東京大学文学部美学科ならびにフランス文学科を卒業。日本楽器(現ヤマハ)、TBSを経てフリーに。音楽関係の著訳書多数。『反音楽史』(新潮社)で2004年山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • うりぼう

    2013年7月26・27日の2日間にわたり、知覧を中心に特攻隊員の真実を学ぶ「プロレスラーSUWA選手と行く鹿児島知覧研修ツアー」に参加した。本書は、「ほたる館」で購入。隊員達は、国のため家族のため、崇高な理念を胸に突撃したことは、紛れもない事実であるが、今の若者が抱える苦悩や躊躇い、恐れを同じように持っていた。それを支えた精神に母の愛が必要であり、それを惜しみなく与えたのが、トメさん。その愛は、特攻隊員だからというものでなく、米兵だろうと犯罪者であろうと変わらない。心に傷を持った者全てへの愛。観音菩薩。

  • 佳乃

    特攻隊員の母と慕われるトメ・・・終戦後は何の因果か米軍のママと・・・けれど、トメは皆同じだと、国を超え寂しいのだと・・・トメの愛は大きい。戦争、特攻・・・それらを知らずに平和に暮らしている自分が、どんなきっかけであろうと今から知ろうとしても遅くはないだろう。そして、今の平和な日本があるのはその時代の方たちのおかげでもあります。いつか知覧を訪れてみたいです。

  • モトラッド

    ★★★特攻基地のあった知覧の地で、食堂を営む鳥浜トメさんの生涯を描きつつ、特攻とは何だったのか、更には太平洋戦争とは何だったのかを問いかける良書。彼女は、実の母のように食堂に集う隊員たちの世話を焼いた。出撃前夜の昭和20年6月5日「死んだらホタルになって帰ってくる」と言い残して、沖縄の空で亡くなった宮川軍曹。そして本当にその夜(トメさんの営む)富屋食堂に、一匹のホタルが舞い込んで来た逸話は、あまりに有名。特攻平和会館を訪ね拝見した遺影と遺書の実物、あと2ヵ月余で終戦という時期に出撃した方も多く胸が痛んだ。

  • 北本 亜嵐

    文章からはトメさんや子供たち、若き特攻兵の心の交流が目に浮かぶようで、何度も目頭が熱くなった。戦前は「特攻の母」と言われた彼女だが、戦後は心無い噂にもひるむことなく、米兵や肩身の狭い親子や犯罪者までも自らの懐に招き入れる姿は「無償の愛」だと思う。「特攻」に関しては様々な誤解がされているようだが、国に多くの若い命が国に殉じたのは事実。「魂がふるえる」そんな一冊。

  • おぎにゃん

    敗戦により大日本帝国滅ぶ。だが日本人は滅びることなく、返す刀で空前の繁栄を遂げた。その礎は、残された家族を思う兵士たちの、純なる魂なのか…純なる魂とは不自由と戦乱の中でしか存在し得ないのであろうか?…そして、愛する人が理不尽な死に赴く時、残されし者は如何に送り出すべきなのか?…そんな設問に本書は、トメと特攻隊員たちとの関わりを通じて、とても美しい解答を導き出した。敵味方を問わず、頼ってくるものは分け隔てなく助け、ホタルとなった若者たちの鎮魂に残る生涯を費やした真の母性を描く…涙腺決壊必至。魂の名作である。

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