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天上天下 赤江瀑アラベスク 1 創元推理文庫

赤江瀑

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488505042
ISBN 10 : 448850504X
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

今もなお数多くの作家たちから愛される幻想文学の巨星赤江瀑。デビュー50周年を記念して、その多彩な仕事のなかから、名アンソロジストが精選した傑作群を全三巻に集成する。自ら体験した、あるいは夢の中で見いだした海峡の風景を各々に綴り、万華鏡の如き幻想世界を現出せしめた泉鏡花賞受賞作「海峡――この水の無明の真秀ろば」、地獄と極楽のあわいにかかる、絢爛を尽くした人ならざるものの舞台芝居を描く、初文庫化となる円熟の傑作「星踊る綺羅の鳴く川」、この世に存在しない漆黒の城を中空に幻視する女を巡るオカルティックロマン「上空の城」。水底から戯場国を経て天上へと至る破格の三長編が一堂に会する第一巻。隔月刊行開始!


【著者紹介】
赤江瀑 : 1933年山口県生まれ。日本大学藝術学部演劇科中退。在学中は詩の同人誌「詩世紀」に参加。中退後は放送作家として活躍していたが、70年「ニジンスキーの手」で第15回小説現代新人賞を受賞し、作家デビューを果たす。以降精力的に短編、長編を発表し、74年『オイディプスの刃』で第1回角川小説賞を受賞。84年『海峡―この水の無明の眞秀ろば』『八雲が殺した』の両作品が第12回泉鏡花文学賞を受賞。2012年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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「上空の城」がまた読みたくなって購入。記...

投稿日:2021/04/18 (日)

「上空の城」がまた読みたくなって購入。記憶の中にしかない城に執着して探し続ける蛍子と、彼女に惹かれて城さがしの手助けをする眉彦。謎めいたストーリーと妖艶な描写に惹きこまれる。赤江瀑の本は図書館で読みあさっていたが、その後大人になって経済力がついて買おうとしても絶版が多いのが本当に残念。

まるちゃん さん | 茨城県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    3篇とも再読。「海峡」で一番、心に残ったのは私も電車やバスで川の上を渡っている時、ふと身を躍らせて水へ投じて泳ぐ姿を幻視してしまう事があるから。そして水が身体に纏わりつく表現がとても官能的である。海を漂ってきた者への考察は「海贄考」とも響き合う。また、伝説によって存在が濃くも実態が掴めない小野小町像の妖怪性に籠められた女の人生にも惹かれてしまう。「星踊る綺羅のなく川」は赤江版『天守物語』。鶴屋南北への狼藉を知ってご機嫌斜めになる二の太夫よりも優しげでいて女性達の内紛を焚き付ける三の太夫の方が意地が悪いわ〜

  • 佐島楓

    ある作家さんが強くおすすめされていたので読んでみる。演劇の手法を取り入れていてかなり特殊な書き方をなさっていると思ったら、もともとそちらの畑のかた、しかも歌舞伎に大きな影響を受けているようだ。それでいてミステリの手法も併せ持っているのだから、面白くならないはずはない。続刊も読んでみます。

  • あ げ こ

    〈流れ流れてなお尽きずこの足もとへ寄せる水の、その悠久たるものの現存することが、なにをおいてもまず、やはりふしぎに酩酊的である。手を浸せば指を濡らし、たなごころに掬いあげられ、口に運べば含めもする水。〉「海峡──この水の無明の眞秀ろば」を読むことは即ち、この水を相手取ることだ。単に書き手と水との接触の、その戯れと思索の結実としての言葉を読むのではなく、そのように表層的な体験などではなく、もっと肉体的な、もっと凄まじい、自らもまたかの水と直面しつつ、水に触れ続ける書き手の快楽を、欲望を、慄きを生きることだ。

  • ふくしんづけ

    『海峡ーこの水の無明の眞秀ろば』一番脂の乗っている時期に描かれた文で、この後続く三作を読み切るだけの吸引力を持つ。だけでなく、書かれた言葉がそれぞれの長編と線を結び、形を成す纏りの良さ。『星踊る綺羅の鳴く川』亡者たちの舞台。現実の役者たちと亡者の交錯、衝突。ここが肝だったろうと思うが、そこにあまり興味はなく、二章を面白く読んだ。ここだけで読んで良かったと思える内容で、このノリで全編続いて欲しかった思いがあるも、小説の構成として据わりが悪くなるのもわかる。がもうちょっと見たかった。栴檀の若のとこお気に入り。

  • ハルト

    読了:◎ 妖美で幻惑的でなまめかしい夜の闇。そんな闇に魅入られのめりこむ。小説のみならずエッセイからも漂う闇の濃さ。魔性の存在がざわりざわりと蠢く。こんなにも甘美な文章、物語に酔いしれられるのは幸運である。これからあと二巻も赤江瀑作品に触れられるのはうれしい限り。これを機に、他の作品も復刊しないだろうか。

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