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言葉をもみほぐす

赤坂憲雄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000229753
ISBN 10 : 4000229753
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

民俗学・歴史学という各々の専門分野からの越境を厭わず、知力をふり絞り、引き裂かれながら現実に向き合う二人。同時代をともに生きてあることの歓びを感じながら、言葉を揉み、解し、思索を交わした、2019年から2020年にかけての18通の手紙を、銀板写真とともに書籍化。

目次 : それでもなお言葉の力を/ 深い海の底から/ 標準語との距離感について/ 俺の人生を聞きにきたのか/ 土壌と人間/ 汚れた土のゆくえ/ 引き裂かれつづける/ 異形の場所からモノへ/ 泥の歴史学/ 傷を記憶すること/ あとには戻れないならば/ 見えない政治に抗うために/ こぼれるということ/ 原発とキツネが対峙するとき/ もののけのたぐい/ それはだれのものか、と問う声がする/ 次の世代、子孫のために/ 撤退の時代だから、そこに駒を置く

【著者紹介】
赤坂憲雄 : 1953年、東京都生まれ。専門は民俗学・日本文化論。学習院大学教授。『岡本太郎の見た日本』(岩波書店)でドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞

藤原辰史 : 1976年、北海道生まれ、島根県出身。専門は農業史。京都大学人文科学研究所准教授。『ナチスのキッチン』(水声社、のちに決定版=共和国)で河合隼雄学芸賞を、『分解の哲学』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞

新井卓 : 1978年、神奈川県生まれ。アーティスト・映画作家。ダゲレオタイプ(銀板写真)の技法で写真を撮る。2016年に第41回木村伊兵衛写真賞を、2018年に映像詩『オシラ鏡』で第72回サレルノ国際映画祭短編映画部門最高賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アキ

    表紙のテッポウユリの花とキツネのような手の銀板写真がなんだかエロティック。『性食考』『ナウシカ考』の赤坂 憲雄と『縁食論』の藤原 辰史の往復書簡。歴史学・民俗学という範疇にとどまらず、臨床の知という共通性を持ち、経済至上主義の現代にこぼれ落ちてしまった言葉をたんねんに拾い上げるようなやり取り。藤原氏が高校生に「勉強は何のためにやるの?」と聞き「次の世代子孫のために」と答える。赤坂氏は「それはまっすぐな希望に満ちていますか、それともいくらかの不幸を背負わされていますか」と返す。赤坂氏の民族知に触れたくなる。

  • ネギっ子gen

    『性食考』『ナウシカ考』『岡本太郎の見た日本』の赤坂憲雄と『ナチスのキッチン』『縁食論』の藤原辰史が文を交わす。それに、木村伊兵衛写真賞の新井卓による銀板写真が19点。『図書』で2019年から20年にかけ18回、同時代を生きることの歓びを感じながら言葉を揉み解し思索を交わした往復書簡を、書籍化。赤坂:<ひとも世界も、とりあえず、何だか怪しい気配に満ちている。恐れる必要はない。それはむしろ、とてもたいせつな生きることへの励ましであり、可能性の種子であり、あえて言ってみれば野性からの呼び声のようなものだ>。⇒

  • けんとまん1007

    赤坂先生、藤原先生の往復書簡。そして、新井さんの写真が、その書簡の持つ空気感・力を伝えている。お二人の持つ言葉の力、言霊。日々の営み、この国への思い、未来を背負う人たちへの思いが、決して派手ではないが、深く伝わってくる。日々、言葉がどんどん軽薄化し、力を持たなくなっている今だからこその本。わかりやすい、自分の言葉で伝えるように努めること・・・これしかない。

  • ゆう

    「災後」ではなく「災間」。エリアメールがひっきりなしに鳴る連休に、本書のこの言葉がずっしりと重い。けれどその重さに、同時に心が落ち着く。経験したことのない、ふわふわとした不安に、確かな形が与えられるから。名前のないものに、対峙することはできない。だから私は、言葉を欲しがる。ふわふわとした不安を埋めてくれる、大きな言葉に身を投げ出すことの心地よさ。この胸の小さな穴を埋めるために求めたものは、いつのまにか他者への暴力になっていたりする。そのことに気がつく。もっと、もっと、もっと。言葉をもみほぐさなくては。

  • 今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

    困った、言葉がみつからない。どう賞賛すればいいのか。言葉とは言の端でしかないという羞恥感を伴うのが正常な感覚であるという指摘とともに、だからこそ端っこの奥にしたためられているものを見逃してはいけないということ。往復書簡とは対談と異なり、往復する間の時間も空間も全てを抱合しているのだなと味わい深さに納得。すぐ値段のこと考えちゃうけど、このテキスト、装丁、写真に1900円をスッと払えないってのは貧しいことだなあ。

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