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帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道 中公新書

貴志俊彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121027030
ISBN 10 : 4121027035
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。

目次 : 序章 戦争と宣伝/ 第1章 日清戦争期―版画報道の流行(一八九〇年代)/ 第2章 日露戦争期―「戦勝神話」の流布(一九〇〇年代)/ 第3章 第一次世界大戦期―日独戦争をめぐる報道選択(一九一〇年代)/ 第4章 中国、米国の反日運動―報道と政治の関係(一九二〇年代)/ 第5章 台湾霧社事件と満洲事変―新聞社と軍の接近(一九三〇年代前期)/ 第6章 日中戦争期―国家プロパガンダの絶頂期(一九三〇年代後期)/ 第7章 アジア太平洋戦争期―ビジュアル報道の衰退(一九四〇年代前期)/ 終章 敗戦直後―占領統治のためのプロパガンダ(一九四〇年代後期)

【著者紹介】
貴志俊彦 : 1959年兵庫県生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。島根県立大学教授、神奈川大学教授、京都大学地域研究統合情報センター教授などを経て、京都大学東南アジア地域研究研究所教授、東京大学大学院情報学環客員教授、日本学術会議連携会員、日本学術振興会学術システム研究センター主任研究員などを兼業。専門は東アジア近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • kinkin

    アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中戦争以降戦いの泥沼化時に国力の総動員のため政治・軍部はプロパガンダを様々なメディアを使って繰り広げた。国民は熱狂しスローガンを鵜呑みにせざる状況になった。古くは錦絵、風刺画、絵葉書。写真、映画など戦争を鼓舞するプロパガンダ史がしょうかいされている。「欲しがりません、勝つまでは」や「1億総火の玉だ」のように有名なスローガンがある。最近でも元首相の「美しい国 日本」が有名だ。このスローガン、当初から胡散臭さを感じていた。いい言葉には眉に唾をつけるべし。

  • HANA

    大日本帝国と戦争、日清日露戦争から太平洋戦争に至るまでの戦争と報道の関係性に注目した一冊。明治では錦絵新聞や絵葉書等で割と駘蕩とした雰囲気だった報道が、技術の進歩に伴いプロバガンダの手段となっていく様が極めて興味深い。転換点はやっぱり30年代かなあ。他にも日露戦争においては日露両国の民間報道が互いに戦勝を主張していたり、朝日新聞が速報を届けるため専用機を使ったりとあまり知られていない細かいエピソードが面白い。扱う範囲が広いため一つ一つを深く掘り下げてはいないが、報道史の概略として面白く読む事が出来る。

  • skunk_c

    日清戦争からアジア太平洋戦争後の占領期までを、おおよそ10年で区切りつつ戦争と宣伝(序章のタイトルだが、こちらの方が書名としても適切な気がする)をまとめたもの。想像で描かれる錦絵から写真、映画とメディアが深化していったことや、軍の検閲、特に日中戦争からの新聞社の動向とその戦争責任、さらには戦争相手国の宣伝にも目配せがされており興味深い内容だった。ただ、政府機関や軍のプロパガンダについてはあまり踏み込まれていなかった。この点は辻田真佐憲『大本営発表』(本書の参考文献にもある)と併読すると良いと思った。

  • まると

    先の戦争で大衆の戦争熱を煽った媒体というと真っ先に新聞を思い浮かべるが、一読して知らされたのは、かつては錦絵や絵はがき、写真グラフ誌といったビジュアル媒体の方が庶民の人気を博し宣伝効果も抜群だったということだ。戦地で撮った写真を空輸してまで速報性を競った新聞も、軍部の検閲が強化されて敗色が濃厚になってからは多くの写真が掲載不可となり文字ばかりになっていった。戦中の新聞に写真が少ない理由の一つはそこにあるのだろう。活字よりも視覚に訴える写真や動画の方がバズりやすいのは今も昔も変わらない現象なのかもしれない。

  • 雲をみるひと

    日清戦争期から太平洋戦争終結直後までの軍部とメディアの関係史総論のような内容。日本のみならず紛争相手国や関係国の各時代の傾向や状況も範囲に含まれていて網羅性が高い反面、事象が眈々と書かれていることもあり、総花的で深掘りされていない印象も受ける。

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