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日本sf誕生 空想と科学の作家たち

豊田有恒

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784585291848
ISBN 10 : 4585291849
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2019
Japan

Content Description

日本のSFが若かったころ―

日本SFが、かつての空想科学小説というジャンルからアウフヘーベンして、あらたに確立したのは、1960年代の初頭からである。当時、日本の出版界では、ひとつのジンクスが語られていた。西部小説とSF小説を出版すると、その出版社は倒産するというものである。SF小説は、いわば未知の文学ジャンルだった。
多くの同志とともに、日本にSFを広めていく過程は、いわば一種の文学運動だった。これは、ひとつの文学ジャンルを確立するまでの、SF作家たちの苦闘と、哀愁と、歓喜の交友の物語である。
今、日本SFが根を下ろすまでの事情を、いわば遺言として書き残すことが、馬齢を重ねた同志としての使命かもしれないと考え、あえて語ることとした。もともと書誌学のようなものには疎いほうだから、年譜的な記録を残すつもりはない。いわばSF作家交遊録と言った体裁になるが、これまで書かれていない破天荒なエピソードなども紹介しながら、筆を進めていきたいと思う。筆を進めると、書いてしまった。今ならキーボードを叩くと書くべきだろうが、あれから半世紀以上、科学の進歩は、われわれSF作家の想像を超えるテンポで進行した。

★登場する作家たち
小松左京/星新一/矢野徹/筒井康隆/眉村卓/半村良/光瀬龍/平井和正/手塚治虫/永井豪/柴野拓美/田中光二/大伴昌司/山野浩一/高斎正/広瀬正/福島正実/南山宏/豊田有恒/ほか多数


目次

はじめに
第一章 人類の夢、近代SFへの道
第二章 SFマガジン創刊
第三章 日本SFコンテスト 
第四章 同人誌『宇宙塵』と『Null(ヌル)』
第五章 SF作家クラブ始動
第六章 SFの普及と発展
第七章 日本SF作家と映像の関わり―アニメ(人形アニメも含む)、特撮など
第八章 SF作家 交友録
第九章 SFの浸透と拡散
第十章 国際SFシンポジウム(1970年)
第十一章 SFの未来へ
編著者プロフィール

豊田有恒(とよた・ありつね)
1938年前橋市に生まれる。慶応義塾大学医学部中退、武蔵大学経済学部卒業。1961年『時間砲』で第一回空想科学小説コンテスト佳作入賞。『エイトマン』『鉄腕アトム』など、黎明期のアニメ界にシナリオライターとして参加、日本アニメのオリジナル・シナリオライター第一号となる。以後、SF翻訳家を経て、SF作家として独立。87年、日本SF作家クラブ会長。2000年より島根県立大学教授。現在、同大学名誉教授。
著書に、『火星で最後の……』(早川書房)、『モンゴルの残光』(ハルキ文庫)、『倭王の末裔―小説・騎馬民族征服説』(講談社文庫)、『タイムスリップ大戦争』(角川文庫)、『崇峻天皇暗殺事件』(講談社)などのSF小説。
また『なぜ中国・韓国は近代化できないのか』(勉誠出版、共著)、『韓国の挑戦』(祥伝社ノン・ブック)、『「宇宙戦艦ヤマト」の真実』(祥伝社新書)などのノンフィクション多数。
最近著に『統一朝鮮が日本に襲いかかる』(祥伝社新書)。
訳書に、『天翔ける十字軍』、『魔界の紋章』(いずれもポール・アンダーソン著、ハヤカワ文庫)がある。

【著者紹介】
豊田有恒 : 1938年前橋市に生まれる。慶応義塾大学医学部中退、武蔵大学経済学部卒業。1961年『時間砲』で第一回空想科学小説コンテスト佳作入賞。『エイトマン』『鉄腕アトム』など、黎明期のアニメ界にシナリオライターとして参加、日本アニメのオリジナル・シナリオライター第一号となる。以後、SF翻訳家を経て、SF作家として独立。87年、日本SF作家クラブ会長。2000年より島根県立大学教授。現在、同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yamatoshiuruhashi

    戦後日本SFの黎明期・勃興期を豊田有恒が実名と共に書く文学史。とは言えそんなに難しい本ではない。豊田自身が本書で何度も言っているようにSFは映像とも相性がよく、映画、アニメとも繋がるために、相互の垣根が低く取りつきやすい。それゆえ子供の分野だと侮られがちであるが、小松左京に代表されるようにある意味、博覧強記の人物たちだからこそSFを高めることができたのだろう。著者は自ら日本SFの第一世代(の最若年層)と言っているがそこに活き活きと書かれている人物の著作を小学生から高校生の頃に読めた私は恵まれていたと思う。

  • hundredpink

    星新一がSF著者仲間に語った冗談の数々を知れるだけでもこの本は読む価値がある。

  • ヒデキ

    SF作家、豊田有恒さんによる、日本SF黎明期の作家たちの姿をその交流から描いています。 私たちは、この世代の作品で学生時代を過ごしていていますので、楽しく読めた一冊でした。 彼らの時代から、SFが、段々、商売になっていった状態が判ってきます。 彼らにもっともっと作品を残していって欲しかったと思ってしまいました。

  • kokada_jnet

    長山靖生『日本SF精神史』の日本SF大賞受賞時に、「SF作家第一世代の歴史は他人に書かれたくない。自分で書く」と言っていた本がようやく出た。第一世代の作家たちの、他の人の本にはない珍しいエピソード満載で、貴重で楽しい本だが(クルマの話が多いな)。筒井康隆の経歴が間違っていたり、大伴昌司の父が「大富豪」になっていたり、「SFマガジン研究会」の名前が違ったり、第二世代作家と第三世代作家をまとめて「第二世代」にしていたりと。間違いが多いので、一次資料に使うのは危険かもしれない。

  • oldman獺祭魚翁

    図書館 昭和は遠くなりにけり 初期のSFファンにとってはとても懐かしい内容。そうかぁヨコジュンは亡くなったけど豊田先生はまだ健在でしたかぁ。貴重なのは豊雀荘での麻雀写真やジュディス・メリルを交えての記念写真などちょっと珍しい物もある。あまり書かれる事の無いSF作家別に纏められたアニメなど映像関係の資料も面白い。 古いSFファンならニヤニヤしながら読めるだろう。

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