Books

「核抑止論」の虚構 集英社新書

豊下楢彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087213720
ISBN 10 : 4087213722
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

2025年は広島・長崎が核攻撃を受けて80年となる。この人類的な悲劇を背景に「核のタブー」が生み出されてきた。
しかし、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるガザのホロコースト、「台湾有事」の切迫、北朝鮮の核開発とイランの核問題、印パ紛争、そして「核のボタン」を弄ぶトランプの再登場、さらにイスラエル・イランのミサイル攻撃に対するアメリカの軍事介入など、核使用の危険性がますます高まっている。
そもそも、核保有を正当化してきた核抑止論は”脅しの信憑性”を核心に据えてきたが、その根底には「狂気」が孕まれている。
こうした核抑止論の本質を歴史的、論理的に解き明かし、核廃絶に向かう道筋と日本の採るべき選択肢を提起する。

豊下楢彦(とよした ならひこ)
1945年、兵庫県生まれ。専門は国際政治論・外交史。
京都大学法学部卒業、同学部助教授、立命館大学教授、関西学院大学教授を歴任。2021年に古関彰一氏と共に第8回日本平和学会平和賞を受賞。
著書に『日本占領管理体制の成立』『安保条約の成立』『集団的自衛権とは何か』『「尖閣問題」とは何か』『昭和天皇の戦後日本』『昭和天皇・マッカーサー会見』『沖縄 憲法なき戦後』(古関彰一氏との共著)など。

【著者紹介】
豊下楢彦 : 1945年、兵庫県生まれ。専門は国際政治論・外交史。京都大学法学部卒業、同学部助教授、立命館大学教授、関西学院大学教授を歴任。2021年に古関彰一氏と共に第八回日本平和学会平和賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • trazom

    核抑止論がテーマであるが、米国を中心とする戦後の軍事・外交史が整理された一冊である。私は、ABM条約を初めて知った時、「これは何かおかしい」と思ったことを記憶する。軍縮を議論するのに、まず迎撃ミサイルを対象とする不可解さこそが、核抑止論の虚構の象徴に思えた。そのABMさえ、ブッシュ(子)大統領によって破棄され、今、トランプ政権の新NPRで、核の役割の再拡張が行われている。理念か現実かの神学論争、「核の傘」という概念の危うさ、NPTの曖昧さなど、核をめぐる議論は、「虚構」というより「欺瞞」とさえ思えてくる。

  • skunk_c

    キューブリックの名作『博士の異常な愛情』を導入として、核抑止という「狂気」(この言葉は本書のキーワードで多義的に使われている)をもって脅迫することにより、その実際の使用を断念させるという理論の、本質的な矛盾を暴き出し、その危うさが明らかにされている。生物兵器との兼ね合いなども登場し、また核密約、沖縄の「無憲法状興味深かった。態」時代の核配備など話題も広い。ゴルバチョフの「新思考外交」の画期性とともに、タカ派の印象が強いレーガンの対応が思いのほか人間的だったのは驚き。トランプが核使用の決定者という恐ろしさ。

  • *takahiro✩

    たとえ読めたとしてもバカすぎて内容を理解できるとも思わないですが、参院選で中高年男性から支持を集め当選した核武装を叫ぶ参政党のエロ女に読ませたい本でした。 狂気が生み出した核抑止論 。精神病理的な論理に基づく脅威。過去の専門家の理論や国際関係の詳細な分析により、核抑止は狂人のお花畑の頭にしかないと。 冷戦を終結させ核なき世界へ進み始めた米ソを再び戦場に引き戻たおぼっちゃま大統領。その後に続く今の世界の指導者たちは狂気を剥き出しにして恥ずることもありません。

  • Kyohei Matsumoto

    ようやく読み終えた。超重要な本だった。核抑止という考え方は現実主義ではない、狂気である。そのような論点から、史実を元に様々過去にあった安全保障上の問題を論じていく。正直言って、この本を読んでアメリカがいかに酷い国であるかを知った。世界的な重要な争い事の裏にアメリカが潜んでいる。この国は他国に首を突っ込んで争い事を起こした国であるという事実。今の日本がやるべきことは、他国に軍縮を迫る外交をやること。ロシアのゴルバチョフのように。そのための抑止ではない、軍縮による外交をせよと提案する、現実的な本だった。

  • さいごの砦

    核抑止論をただ道義的に反対するのではなく、核抑止論の歴史とその発展を概観した上でその誤謬を指摘しており説得力がある。 一方で、核抑止論は何も核武装をする根拠となっているだけでなく、戦略的安定性の概念は軍備管理や軍縮を推進したと言う面もあるはずである。 また、核抑止論が机上の空論だとしても少なくとも核の主要大国である米露がその論理で動いており、中国北朝鮮すらもその論理を一定程度受け入れて核政策を形成している事実も考慮する必要があるのではないか。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items