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国民国家とナショナリズム

谷川稔

User Review :4.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784634343504
ISBN 10 : 4634343509
Format
Books
Publisher
Release Date
October/1999
Japan

Customer Reviews

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ほどよいボリュームで,世界史上の主要トピ...

投稿日:2021/06/26 (土)

ほどよいボリュームで,世界史上の主要トピックについて記述する,山川出版社の好企画「世界史リブレット」のなかの1冊(35番)です。近代国民国家の形成過程やその実像,現代的な諸問題等について,「スポーツのなかの国家と国民意識」「十九世紀ヨーロッパの国民国家形成」「国民統合の苦悶」「国民統合モデルと国民国家論をめぐって」という章立てで,分かり易く記述されている良書です。1999年に刊行された書籍のため,扱われている現代の事象が古めなので,「新版」や「改訂版」の刊行を期待したいところです。

梨杏 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • (haro-n)

    1999年に書かれたものなので、時事ネタがやや古い(ジダンの出自など)が、欧州の国民国家成立の過程とその多様性を独・仏・英に絞り具体的に検証する。アンダーソンの『想像の共同体』を踏まえ、本当に「想像」の共同体なのか?問いかける。学校や教会等の形で様々な装置を経て実体化される過程、又、皮膚感覚で国民意識を抱く人々のその意識の根っこにある歴史的記憶について説明していく。アイデンティティが複数の次元に分散化されることが衝突を避ける鍵であるようだ。国民国家レヴェルの分権化のためには、 トランスナショナルな結合体↓

  • venturingbeyond

    目前に迫った歴史総合の授業スタートの参考にと、慌てて購入し、一気に読了。近代国家の形成過程における「国民」の創出、ナショナリズム勃興の過程を、ドイツ、フランス、イギリスの3国に焦点を当てて概説。俗流の「国民は、歴史的に創造・構築されたもの」との乱暴なまとめを回避し、「伝統の創造」のための記憶の動員には、歴史的体験の共有ないし文化的類似性という「受け皿」が必要であると説く。

  • 八八

    もはや国民国家とは何か?という議論は当たり前のようになされている。その火付け役はB・アンダーソンの『想像の共同体』である。本著はナショナリズム研究に一石を投じ波紋を巻き起こしたアンダーソンの議論に問題意識を持ちながらドイツ、フランス、イギリスを比較しナショナリズムと国民国家について論じている。著者はアンダーソンよりもスミスの方を支持しているようだが、アンダーソンの議論は誤解されていると擁護する。ナショナリズムや国民国家論の入り口としてよく纏まっており、そこからアンダーソンやスミスに入る方が良さそうだ。

  • keint

    ドイツ・フランス・イギリスの三国の歴史に言及しながら、それぞれの国における国民国家の形成過程とその実情について解説している。時事ネタが古いことを除けばナショナリズムを簡潔に説明している。

  • 馬咲

    19世紀以降「国民(国家)」の枠組みが定着した諸経緯を、独仏英の例から大まかに確認できる。反移民と反EUが結び付く傾向にあり、EUを国民国家の上位の統合枠組みとして、人々に複合的アイデンティティの定着を期待する展望は遠ざかったと感じる。そんな現状から見ると、『想像の共同体』に纏わる誤解と国民国家が帯びる実体性への注意喚起や、国民国家への帰属意識の希薄化が、エスノ・ナショナリズムや宗教共同体への帰属意識の再燃に転化することへの懸念は、ナショナル・アイデンティティ自体の是非はあれど一層重要な指摘になっている。

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