Books

百日と無限の夜

谷崎由依

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087700107
ISBN 10 : 4087700100
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

初めて知るのだが、母体の内部は、らせんだ。
拗れて考えて、愛して爆発して、無限へ手をのばす。
らせんだ。凄い。
――古川日出男

女の体の全てがここにある。
自身の胎内めぐりの旅に出た女と共に
私たちにも闇の先の光が降ってくる。
これは生まれ直しの物語だ。
――中村佑子

第一子の妊娠中、切迫早産で急遽入院を余儀なくされた「わたし」。
医師からは「三か月は出られない」という衝撃の事実を聞かされる。妊娠7ヵ月で子宮口がひらくとは、それほどの重症なのだった。
生業とする書き仕事や日常の営みを奪われ、ただすべての時間を横になって過ごす日々の中、
ある晩ひとりの女が「わたし」のもとを訪れる。彼女こそ、能作品『墨田川』に登場する女物狂い・班女。
人攫いに遭い子を失った班女を案内人に、中世・京の都から駆け込み寺、若狭のお水送り、海辺の産小屋へと、「わたし」と班女の時空を超えた道行きは続き……。

切迫早産での入院中の日々の詳細と、
子産みと生命にまつわる夢幻の地獄めぐりを編み上げた、
かつてない出産幻想文学。


【著者略歴】
谷崎由依(たにざき・ゆい)
1978年、福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2007年「舞い落ちる村」で第104回文學界新人賞受賞。19年『鏡のなかのアジア』で第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。近畿大学文芸学部准教授。小説のほか、英語圏小説の翻訳を手がける。その他の著書に『舞い落ちる村』『囚われの島』『藁の王』『遠の眠りの』、訳書にジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』、コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』、ノヴァイオレット・ブラワヨ『あたらしい名前』など。

【著者紹介】
谷崎由依 : 1978年、福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2007年「舞い落ちる村」で第一〇四回文學界新人賞受賞。19年『鏡のなかのアジア』で第六九回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。近畿大学文芸学部准教授。小説執筆のほか、英語圏小説の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • kieth文

    女だけが持つ身体のしくみと母性の赤裸々な独白。男性女性の性を超えて、さまざまな生と死の境が子宮であり、胎内だった。 著者自身の切迫早産の経験を赤裸々に描きつつ、子供を持つ事の希望と失う恐怖にも似た不安を夢の中で異世界を描きながら伝えていく。タラレバや苦情を歯に衣着せぬ語り口で吐露する文言はある意味正直で、そこが面白くもあった。

  • 信兵衛

    “出産幻想文学”と言われれば、確かにそのとおりだと言うほかありません。 いろいろと考え、感じるところもありますが、面白いかと問われれば、う〜んと唸ってしまう。所詮、男性である私は部外者かと思ってしまうのです。

  • コンチャン

    妊娠7か月を迎えて受けた検診で異常がみつかり緊急入院することになった主人公の姿を追う作品です。幻想文学、というジャンルなのかな?結構難しい内容でしたね。

  • 鳩羽

    二十六週の検診で子宮口が開いてしまい切迫早産だと言われた「私」は、子供のためにその後三ヶ月に渡る入院の日々を送ることになる。暗い水が浸食する世界では、老婆が子どもを狙っており…。現実的な切迫早産の説明と、幻想的な女体と女の出産の歴史の暗喩のような世界が切れ目なく描かれて、やがて生まれた後の幼児のときの子育ての描写も入り混じり、とても分かりにくい話。でも読みやすさもあって、子を産むこと、の不自由や、不健康といった連綿と続く不のイメージが今の世にも繋がっているのだった。

  • かりぐらし

    切迫早産で入院になった女性の、現実での地獄(24時間点滴で動くことを禁止されている)と、幻想の中の地獄(能の登場人物である2人の狂女に夢の中で翻弄される)の中で、子を産むことと育てることへの葛藤、不自由さ、様々なことと向き合う内容。切迫で入院したことがある人には理解できるだろう。終わりの見えない入院生活、寝てるだけでやることがなく、頭だけが冴えて色々考え過ぎ、思考がグルグルした結果できた作品なんじゃないかと思う。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items