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ノワール文学講義 A Study In Black

諏訪部浩一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784327481636
ISBN 10 : 4327481637
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

出口がないこの世界で、不条理に運命に翻弄されて虚しくあがく人間を、犯罪ドラマのスタイルで描く「ノワール」。ジム・トンプソンの再評価後、今日ますます切実な表現として求められるジャンルの起源と根源は何か。『「マルタの鷹」講義』で日本推理作家協会賞を受賞した新鋭がアメリカン・ノワールの源流をたどる。未訳作品に解説を付けたノワール文学年表を収録。

目次 : 1 黒の黎明(黒い誘惑―初期ノワール小説について)/ 2 黒の光芒(ノワール小説の可能性、あるいはフィルム・ノワール/ ファム・ファタール事件簿―ハードボイルド探偵小説の詩学)/ 3 黒の先駆(『ガラスの鍵』―ノワールの先駆/ 成長する作家―「『マルタの鷹』講義」補講/ ハメットと文学)/ 4 ノワール文学年表

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • harass

    『アメリカ文学入門』で知った英文学者の評論集。ノワール小説の解説。30年台アメリカは大恐慌直後の社会不安を反映した一連の小説がでてきた。『閉塞した状況に置かれ、そこから脱出を望むが、失敗する』というパターンの小説たちだ。該当する作品や作家が挙げられていてだいたい読んでいるのだが、知らない作家作品や再読したいのも多数ありでなかなか読書欲を刺激してくれた。ハメットの特異性や映画との関係などの話もあり易しめの評論でもあって楽しめた本だった。同著者の「『マルタの鷹』講義」を読みたい。良書。

  • くさてる

    初期ノワール小説についての解説。ノワールの定義から始まり、映画や周辺の事物についても語りながら、全体像がまとめられている。大学でこんな講義を受けられたらどんなに面白く、興奮しただろう。巻末の「ノワール文学年表」を片手に色々と読み直していきたくなる一冊。

  • swshght

    『「マルタの鷹」講義』から二年。諏訪部浩一がまたしても「ノワール」に挑む。諏訪部はまずノワール小説を初期と戦後に区分する。彼によれば、その物語は「環境」「脱出願望」「失敗」の三層構造を持ち、それぞれ「リアリズム」「ロマンス」「悲劇」に対応する。この三点の分析から、起源としての自然主義文学の存在が示される。面白いのは、こうしたノワール小説が絶えずフィルム・ノワールとの関係によって論じられている点だ。「語らないこと」と「映さないこと」≠竍「ノイズ」の削除≠ヘ映画論としても秀逸。ノワールへの関心は尽きない。

  • hikarunoir

    構造的に、同一主人公が繰り返し登場できないジャンルなのだと、ハメットとチャンドラーという対照から、定義が決定的に示される痛快。

  • De PalmaX

    ノワール勉強その1。ダシール・ハメットを中心的に扱ったノワールについての論考集。"ノワール"というジャンルがいかに扱いづらいかということを強調しながらも、大恐慌時代の社会派リアリズム文学やロマンス小説、ギリシャ悲劇に自然主義文学など様々なジャンルからの影響を指摘し、30年代から第二次大戦後までのノワールの変遷をまとめる鮮やかで明快な論考には舌を巻いた。ハメットやチャンドラー等のノワール初期の作家のそれぞれの作風の違いも改めて見ると分かりやすくまとめてある。ノワールに興味がある人は読むべしな一冊でした。

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