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漂流 新潮文庫

角幡唯介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101019512
ISBN 10 : 4101019517
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1994年冬、沖縄のマグロ漁師・本村実はフィリピン人船員らとともに37日間海上を漂流した後、奇跡の生還を遂げた。だが8年後、本村は再び漁に出て、今度は二度と戻らなかった…。命を落としかけたにもかかわらず、なぜまた海へ向かったのか?著者は本村の後姿を追って沖縄、グアム、フィリピンを彷徨い歩く。国境などないかのように生きる海民の声を聴くうちに見えてきたものとは―。

目次 : 二つの漂流/ 魔の三角地帯/ 池間民族/ 沈船とダイナマイト/ 消えた船、残された女/ マグロの時代/ 再興南方カツオ漁/ 漂流船員の証言A/ いろは丸乗船記/ 救出者/ 漂流船員の証言B/ 閃光

【著者紹介】
角幡唯介 : 1976(昭和51)年、北海道芦別市生れ。探検家・ノンフィクション作家。早稲田大学政治経済学部卒、同大学探検部OB。2003(平成15)年朝日新聞社入社、’08年退社。著書に『空白の五マイル』(開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞)、『雪男は向こうからやって来た』(新田次郎文学賞)、『アグルーカの行方』(講談社ノンフィクション賞)、『探検家の憂鬱』、『探検家の日々本本』(毎日出版文化賞書評賞)、『探検家、40歳の事情』、『極夜行』(Yahoo!ニュース本屋大賞2018年ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ゆいまある

    漂流し生還したある漁師(今また行方不明)を角幡さんが追う。伊良部島の宮古島側にびっしりと家が建っている一角があり、そこが佐良浜という漁師の土地である。佐良浜民族(池間島からの移民)は粗暴な海の民であり、取材する内に角幡さんはその特殊性に惹かれていき、会うわ会うわ、佐良浜の人に。どれだけ人が出てくるのか。どんだけ引かれるレベルで取材するのか。私は潜るために20回以上宮古島に通っているので伊良部の人がガラ悪いと言われてるのは聞いてたが、深く知れて大変興味深かった。ストーカーみたいな角端さんが怖くて良い。

  • キムチ

    佐良浜という独特な地域出身の漁師たちとその人生を描いたドキュメントタッチのルポ。そもそもは37日間漂流の後、8年後に 再度遭難した男を描く意図だったようだ。筆者の作品は 出発そして成し遂げての記録者が多いが これは異色。結果から倒叙して敷衍したスタイル。筆者をして「方向変換」すべく思わしめた「海洋集団」〜陸の人間以上に煩雑な死亡、行方不明が多いという事実。身軽に遠方へ出漁する荒ぶる魂と身上、密貿易、ダイナマイト漁。11章に渡り描かれる非日常的世界はタッチが淡々としつつも もの悲しい。

  • えみ

    佐良浜海洋民の光と影、ある一人の男の「漂流」について濃密な取材で書き上げられたノンフィクション作家によるルポルタージュ。圧倒的な情報の大海原!指針なく読み始めた私は暫し漂流しかけてた。ただ次第に佐良浜人の性質や、そこから見えた歴史と信仰、そこに生きる海洋民達の海に対する感情が立証されていくうちに彼らの生死観から目が離せなくなった。1994年、長期漂流から奇跡的に生還した本村実が8年後再び海に出て忽然と姿を消した。彼は何故また海へ?取材から浮かび上がる漂流の真相と海に生きる彼らの宿業。凄いルポ。読んで正解。

  • piro

    グアム沖で操業していた鮪漁船が沈没、37日間の漂流の末フィリピン沖で奇跡的に救助された本村実。彼は8年後再び遭難し今度は還る事がなかった…。一人の漁師の数奇な運命を追いつつ、海でしか生きられない人々の生き様に迫るルポ。漂流のドキュメントだけでなく、沖縄における鰹/鮪漁の盛衰、本村氏のルーツ伊良部島佐良浜の人々の気質にまで渡る内容は、若干纏りに欠けるものの、海の民独特の世界観・死生観といったものを感じさせる力作。刹那的にすら映る海人の生き様を蔑む事なく、畏怖の念すら持って描く著者の姿勢には好感が持てました。

  • まさ

    2度も漂流を経験してしまった本村実氏を追ったルポだが、その行方はもとより海で生きる人々の生活や生き方そのものに迫った。生きていることを意識せざるをえない状況にずっと身を置いているからこそ、冒険家の角幡氏にも伝わり感じ取るものが多いのだろう。知らない世界を見せていただいた。

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