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コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か

西田亮介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022516954
ISBN 10 : 402251695X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

目次 : 序章 感染の不安/不安の感染(感染症の猛威と「不安」/ 世界的流行の始まりと「小休止」まで)/ 第1章 アウトブレイクの経緯(中国からアジア、世界の危機へ―19年12月〜20年1月/ 全国一斉休校、総理が初会見―20年1月31日〜/ 国内感染拡大、パンデミック宣言(20年3月1日〜))/ 第2章 パンデミックに覆われた世界(緊急事態宣言。総動員的自粛へ―20年4月1日〜/ 宣言の解除と新しい生活―20年5月1日〜)/ 第3章 コロナ危機の分析(混迷するメディアと社会意識/ 「迅速な」初動と「遅れた」WHOの判断?/ ダイヤモンド・プリンセス号の混乱と「不評」/ 新型インフルエンザの忘却と反復/ インフォデミックという新しい問題/ 「耳を傾けすぎる政府」)/ 第4章 新しい冗長性の時代(突きつけられた、古くて新しい問い/ 社会に求められる“新しい冗長性”)

【著者紹介】
西田亮介 : 1983年、京都生まれ。専門は社会学。博士(政策・メディア)。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同後期博士課程単位取得退学。同助教(有期・研究奨励2)、独立行政法人中小企業基盤整備機構リサーチャー、立命館大学大学院特別招聘准教授などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ころこ

    コロナ報道のときによく使われるのはウィルスの電子顕微鏡写真ですが、実際には目に見えないものをあたかも認識できる前提のような錯覚を起こさせることに注意しなければなりません。種々入り乱れる報道は本来その前提からはじめ、不安を煽ることは戦前の世論を煽ることの自戒のうえに合理的理解を啓蒙すべきでした。今回もまたその様な報道は少なく、著者がその役を買って出ています。我々に見えるのは顕微鏡の写真ではなく、不安という象徴性の可視化でした。私を憂鬱にさせるのはコロナの恐怖ではなく、コロナの恐怖に怯えている人間の脆さです。

  • yutaro13

    4-6月執筆。現在進行形の危機に対して有用な視点を提供してくれる。一般的なイメージと異なり、新型コロナ発生初期の日本政府の対応は2012年成立の新型インフルエンザ等特措法に則り合理的なものであった。しかし政治家やメディアの対応(忘却・反復・不安定な脊髄反射的反応)が大衆の不安を増幅させていき、SNS・ワイドショーでは必ずしも合理的とは言えない「わかりやすい民意」が拡散。内閣支持率の低迷を背景に、民意に「耳を傾けすぎる政府」が形成され場当たり的な政策が取られるようになる。メディアが機能不全だよなぁ。

  • たばかるB

    2020年6月に書かれた。COVID19に対する日本の対応を洗い出す。対策の初動は新型インフルエンザ特措法に基づいて行われていたものの、徐々に政府は不安定で場当たり的な対応をするようになる。これらの背景には、メディアを通じた不明瞭な感染の不安/不安の感染が広まったこと、その中の人々の声に政府が耳を傾けすぎてしまったことがあった。イメージを重視する自由主義政府のあり方、規範的ジャーナリズムの及ばないメディアとSNS、広がる「被害者意識」といった諸問題は多くの国に共通している。日本の場合は特にカルロス・ゴーン

  • ロア

    人間というのは忘れっぽい生き物だ。その時の状況や気持ちなんかもあっという間に忘れ去って、もう平気な顔してる。新しいことにもすぐ慣れて、なんの疑問も抱かない。よく言えば柔軟性がある。悪く言えば、、、

  • おっとー

    対応が遅い、支援が少ないと失敗ばかりが叫ばれる日本のコロナ対策。しかし1〜2月の対応を見る限り厚労省はかつての新型インフルの対策を踏まえ、WHOとも連携しつつ地道な対策を重ねていた。ただその後、ダイヤモンドプリンセスや緊急事態宣言を巡って「民意」は暴走し、メディアやSNSがそれを煽り、さらには安倍政権の会見の信頼性の低さやスキャンダルが重なって、「民意」に忖度したその場しのぎの対策が乱発される。こうして、多様な情報を統合し判断するのではなく、なんとなくの感情を大切にする「耳を傾けすぎる政府」が誕生した。

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