Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• 梶

  読了日：2025/11/13

  他者の他者性にどうしようもなく憤慨してしまうその温度をものすごく精細に描いていると思った。中年男性で生きる希望も、意欲も希薄、という一人称の語りが、生への貪欲さと他者への執着を逆説的に浮き彫りにしてくる面白さがある。それはそうと、東京は他者で溢れていて、街を歩くとイライラするのはものすごく共感できた。

• 阿部義彦

  読了日：2025/09/15

  ちくま文庫今月の新刊。よって書影も追いつかず。初めての作家、第39回大宰治賞受賞作。親本も筑摩書房でそこからの文庫化。何故これを買ったかと言うと、かなり昔にちくま文庫で、第36回大治治賞の作品、『空芯手帳』を文庫化してこれを読んだら面白かったので、今回のも巻末に町田康さんとの対談もあるので、興味を惹かれました。私個人的には大宰治はそんなに好きでは無いのですが。でも今回も読んで良かったです。流石ちくま文庫様々。駄目男の系譜ですが、他人を傷つけるのを恐れる余りに、絶食して自死しようと企てる男の物語。悪意とは？

• おいしゃん

  読了日：2025/09/30

  太宰治賞作品。主人公の理不尽な身勝手さ、中年男が暴発、と帯にあるが、読んでみるとまるで自分を見ているよう。生きづらいまでの繊細さ、行き過ぎた正義感、弱いくせに強がる、、、とても他人とは思えず途中から応援しながら読み進めた。

• カツ

  読了日：2025/11/28

  初読み作家さん。バカバカしくも哲学的なタイトルに魅かれて読んでみた。コミカルな話なのかと思っていたら、さにあらずいたって真面目で太宰賞をとった作品らしく確かに太宰臭が感じられる。巻末の町田康さんとの対談も良かった。

• arata

  読了日：2025/11/15

  私小説なのかなと思って興味を持ちました。柳田譲の日常に降りかかる怒り、苦悩は共感するところばかり。人と関わることが自死願望の原因なのに、人の役に立つことは諦めきれない柳田に人間としての体温を感じます。西村賢太さんを愛読していたけど北町貫太のような破天荒さがあれば笑って読めたけど柳田は共感できすぎて気持ちが沈んだ。それでもラストにそれまでの全てを無茶苦茶にしてしまうところが貫太と一緒で最後は笑って読み終えることができました。

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