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婦人の新聞投稿欄「紅皿」集戦争とおはぎとグリンピース

西日本新聞社

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784816709180
ISBN 10 : 4816709185
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ご飯をつくる時、買い物をする時、おしゃべりをする時…。60年前、日本の家庭には、常に「戦争」があった。それが普通という異常。戦後間もない昭和30年代の新聞の女性投稿欄から、今読んでおきたい42編を収録。戦中戦後、彼女たちは何を見ていたのか。明日を今日より良い日にしたい。覚悟に満ちた言葉の数々。

目次 : 鳥目/ 夫の遺影に/ 模型飛行機/ イースターの卵/ 女というもの/ お手玉/ 平和への願い/ 帰国者/ 愛国心/ 入道雲〔ほか〕

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yumiko

    ページを捲る度に涙が滲んで困った。市井に生きる人々の偽らざる思いが、強く強く胸を打つ。戦後間もなく西日本新聞に設けられた女性投稿欄「紅皿」の中から、戦争に関した42編を選び纏めたのがこの一冊。新聞の投書欄という小さなスペースでも、そこにはかけがえのない思い出や、ささやかな日常の幸せ、思いを寄せた一人一人の人生がぎゅっと詰まっている。てらいのない素直な言葉は、どんな優れた小説も敵わない本当という強さで私たちの心を揺さぶる。幸せは日々の生活の中に…。平凡な毎日の有難さを思い、争いのない世の中を切に願う。

  • 美登利

    昭和29年から37年までに寄せられた一般女性による新聞の投書欄の記事をまとめたもの。先日観た映画でも女性からの戦争中や戦後直後の目線がまた戦争に行った男性とは違っていました。それまで叩き込まれた教えの憤りに悩みもがきそれでも生きていく支えとなったのは、家族である。初めはまだ戦後の記憶がまざまざと残っていて生々しいのと、悲しみをたくさん思い出しては苦しむ姿があります。しかし5年たつと少しずつ、戦後から解き放たれていく姿が垣間見えてきます。父や息子、兄を失った女性が逞しく生きている日常が清々しく心を打ちます。

  • ちゃちゃ

    戦後10年近く経ち、少しずつ悲惨な戦争体験を振り返ることができるようになったからか。それとも、命を生み出す性を持つ者として、再び社会にきな臭いにおいを敏感に感じ始めたからか。戦後日本が復興し高度成長期に差しかかる時、市井の女たちによってこれらの投書は書かれた。男たちの戦の陰に、自分たちの切実な痛みがあることを伝えたい。行間からあふれ出る、平和を希求する女たちの静かな熱い叫び。発信することで、それは後世に残る財産となる。42人の女たちの、辛く切なく誇らしくしなやかな、42それぞれの物語が胸に熱く響いた。

  • Ikutan

    敗戦から9年後。高度成長期の幕開けと言われた昭和29年から昭和37年までに、西日本新聞の女性投稿欄『紅皿』に掲載された、時代の空気や市井の人々の思いが伝わってくる投稿をまとめたもの。戦争の傷を引きずりながらも、新しい時代に向けて日々逞しく生きる女性たち。その等身大の生の声は、どんな素晴らしい小説よりも、ダイレクトに響き胸を打つ。戦死した家族への無念や貧困を抱え、それでも逞しく生きようとする強い志。食を介して伝わってくる家族への愛情。何より平和への強い思い。これは涙が止まらない。教えてくれた読友さんに感謝。

  • ぶんこ

    終戦後9年が経った時、女性の真実の声が欲しいと開設された新聞の女性投稿欄「紅皿」。その中から戦争と戦後についての思いのこもった作品が収録されています。戦地に送る夫、息子を思う気持ちに胸がえぐられます。女性は強い、母はなお強いと思いつつ読み終わって、村中さんの「ことばを生きた女性たち」で、「女性であることを男性と切り分けてみせるのではなく(中略)日々のささやかな営みに心を尽くせる幸せの器として、女性である自分を引き受けたい」とあり、素晴らしい言葉だと感激しました。「幸せの器」でいられる世界が続きますように。

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