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9月の本

西崎憲

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336077424
ISBN 10 : 4336077428
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――

12か月のうちの〈9月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。
四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。

【目次】
九月のひと(幸田文)
分身(リッキー・デュコーネイ/岸本佐知子訳)
月夜(鈴木三重吉)
鬼作筵〔「聊斎志異」より〕(蒲松齢/柴田天馬訳)
登高(小沼丹)
屋上(北野勇作)
猫町 散文詩風な小説(萩原朔太郎)
尼〔「陰火」より〕(太宰治)
溶ける魚 17(アンドレ・ブルトン/巖谷國士訳)
二人は歩いた(西脇順三郎)
市街を散歩する人の心持(木下杢太郎)
菊あわせ(泉鏡花)
溺れかけた兄妹(有島武郎)
麻畑の一夜(岡本綺堂)
天災と国防(寺田寅彦)
食堂(島崎藤村)
九月の果樹園(マチュー・ド・ノアイユ伯爵夫人/永井荷風訳)
九月は(茨木のり子)
恋のカメレオン(アンリ・トロワイヤ/澁澤龍彦訳)
 跋 九月の水(西崎憲)

装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)

Customer Reviews

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    九月は夏の終わりと秋の始まり。どことなく夜が涼しく寂しくなる季節だけど、そんな季節に相応しくどこか影を含んだ作品が多いように感じられる。注目すべきは当然萩原朔太郎「猫町 散文詩風な小説」である。読んでいるうちにここではない何処かへ誘われていく感覚はこれ以外では味わえない。北野勇作「屋上」も同様で良いなあ。震災にも触れられており、寺田寅彦「天災と国防」はさる事ながら、初めて読む島崎藤村「食堂」も市井の人の震災後を描いて見つけ物の感強し。他にも鈴木三重吉、有島武郎、岡本綺堂等季節に相応しい名文を味わえました。

  • くさてる

    安定した内容のアンソロジー。名前だけは知っているような文豪の思わぬ作品と出会えるのがこのシリーズの良いところだけど、今回は島崎藤村「食堂」がしみじみと良かった。地に足がついた落ち着いた内容で派手さはないのに情景が目に浮かび、胸に来るものがあった。9月は関東大震災の月でもあった。同じように有島武郎の「溺れかけた兄妹」も、題名通りのシンプルな内容にもかかわらず読んでいてハラハラしてしまう読み心地でした。良かった。

  • kibita

    9月という季節感を強く感じたのは『九月のひと』幸田文、五感に訴える美しい散文詩『九月の果樹園』マチュー・ド・ノアイユ伯爵夫人/永井荷風訳。私も9月になれば夏のバッグは使わない、麻は着ないその程度かな。面白かったのは屍臭漂う自由な夢日記か『尼「陰火」より』太宰治、全ての政治家と官僚に読んで欲しい『天災と国防』寺田寅彦、男女の恋心の複雑さ『恋のカメレオン』アンリ・トロワイヤ、関東大震災後の復興と、ある老女の心理『食堂』あたり。

  • takakomama

    小説、エッセイ、詩歌、海外の作家さんの作品も収録した、バラエティー豊かなアンソロジー。9月は残暑、重陽の節句、関東大震災の記憶など。暑さ寒さも彼岸まで。うだるような暑さは、もう少しの辛抱かな。既読4編を再読して、9月の話だったことに気づきました。

  • Hanna

    8月に入ったところなのだけど、9月の本を読む。今はこんなに暑いのだけど、9月もやっぱり暑い時期がかなり続くことを思い出す。それでも、ひんやりと涼しげな感じが漂うアンソロジー作品も。

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