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ドイツ・レクイエム への道 ブラームスと神の声・人の声

西原稔

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784276130340
ISBN 10 : 4276130344
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2020
Japan

Content Description

ブラームスの創作の前半の頂点《ドイツ・レクイエム》は、聖書・古楽・民謡研究ほか、それまでの彼の多方面にわたる創作の成果が傾注されている。彼が若い時代から追求してきた「人の声」の思想の集大成でもあり、彼の深く考え抜かれた思想「死生観」が込められた、彼独自の宗教音楽でもある。
今日の私たちにも強い現実性をもって語りかける《ドイツ・レクイエム》は、現在でも演奏会のレパートリーとして親しまれている人気曲にもかかわらず、ブラームスは作品の草稿のほとんどを破棄したため、創作の背景がなかなか解明されなかった。
あの柔和で共感にあふれる音楽がなぜ書かれたのか。本書は、多角的な見地から《ドイツ・レクイエム》の創作の背景や、ブラームスの思想に迫る。

[目次]
序章 《ドイツ・レクイエム》とは

第1部 《ドイツ・レクイエム》とブラームス
 第1章 《ドイツ・レクイエム》を聴く聴衆―—近代市民社会の投影
 第2章 《ドイツ・レクイエム》の創作過程
 第3章 《ドイツ・レクイエム》のテキストと音楽

第2部 《ドイツ・レクイエム》への道
 第1章 ブラームスをはぐくんだハンブルクの音楽文化
 第2章 民謡と人の声の思想
 第3章 《ドイツ・レクイエム》とリート
 第4章 ブラームスの古楽研究と宗教作品の創作―—《ドイツ・レクイエム》の序奏
 第5章 ブラームスの器楽作品における古様式
  第1節 初期の対位法書法の作品とシューマンからの影響
  第2節 ヨアヒムとの対位法学習時代の器楽作品
  第3節 対位法学習の総括

第3部 《ドイツ・レクイエム》の意味するもの
 第1章 《ドイツ・レクイエム》の初演と評価
 第2章 《ドイツ・レクイエム》のその後の演奏
 第3章 《ドイツ・レクイエム》後の創作
 第4章 《ドイツ・レクイエム》と19世紀後期の宗教音楽

結語 ブラームスと《ドイツ・レクイエム》

あとがき
主要文献表


[著者紹介]
山形県生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、現在、桐朋学園大学特別招聘教授。18、19世紀を主対象に音楽社会史や音楽思想史を専攻。著書に『クラシックでわかる世界史』(アルテスパブリッシング)、『作曲家◎人と作品 ブラームス』『新編 音楽家の社会史』『シューマン 全ピアノ作品の研究』上下巻(以上、音楽之友社)、『ピアノの誕生』(講談社)、『楽聖ベートーヴェンの誕生』(平凡社)などがある。


【著者紹介】
西原稔 : 山形県生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、桐朋学園大学名誉教授、同大学特別招聘教授。18、19世紀を主対象に音楽社会史や音楽思想史を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • syaori

    ブラームスのキャリアの中間に置かれる傑作≪ドイツ・レクイエム≫を中心に、彼の追求した問題等を見てゆく本。≪レクイエム≫前後の作品に目を配ることで、ルネサンス・バロックの古楽や民謡の旋律、ロマン派の音楽から彼がいかに自身の表現語法を獲得したかや、≪レクイエム≫で提示された思想がどう引き継がれたかを見てゆく構成。その全体から彼の死への慄きと、死せる定めの人間存在への深い哀しみ慈しみが見えてくるようで、≪レクイエム≫の美しい旋律や歌詞を、人生を通してブラームスが語ろうとしてきたものの一端に触れた思いがしました。

  • trazom

    私が最も印象的な「ドイツ・レクイエム」の光景は、第1曲の間、弓を膝の上においたまま一音も出さないヴァイオリニストの姿である。オケの花形であるヴァイオリンを沈黙させてブラームスが求めた響きが、この作品を象徴している。本書は「ドイツ・レクイエム」の詳細な分析だが、それを通じて、ブラームスの集大成が、この曲に深く塗り込められていることが証明される。パレストリーナ、シュッツなどの古い様式の研究の成果、民謡収集を通じた旋律表現、最晩年の「4つの厳粛な歌」にも通じる祈り…西原先生のブラームス研究の到達点がここにある。

  • bluelotus

    ★★★☆☆ 来週のドイツ・レクイエムの演奏会の予習として♪ドイツ・レクイエムの説明は主に第1章のみではあったが、クララ・シューマンの日記に書かれていたブラームス評の抜粋がなかなか興味深かった。

  • bluemoon

    ドイツレクイエムを歌うにあたり、ブラームスのこと、楽曲の奥深いところを学習したいと思い購入した。 ブラームスはシューマンの評論によりドイツに知れ渡ることになるが、新ドイツ派より嫉妬と批判をかうことになり社会に身構え、頑なになっていく。 たびたびメランコリーにも襲われた。その魂の不安が聖書の世界を誘ったのではないか。

  • 沖縄電鉄社長

    ブラームスのキャリアにおける一つの頂点を飾る『ドイツ・レクイエム』についての総合的な研究。

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