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化け者心中 角川文庫

蝉谷めぐ実

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041138823
ISBN 10 : 4041138825
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan

Content Description

ときは文政、ところは江戸。ある夜、中村座の座元と狂言作者、6人の役者が次の芝居の前読みに集まった。その最中、車座になった輪の真ん中に生首が転がり落ちる。しかし役者の数は変わらず、鬼が誰かを喰い殺して成り代わっているのは間違いない。一体誰が鬼なのか。かつて一世を風靡した元女形の魚之助と鳥屋を商う藤九郎は、座元に請われて鬼探しに乗り出す―。第27回中山義秀文学賞をはじめ文学賞三冠の特大デビュー作!

【著者紹介】
蝉谷めぐ実 : 1992年、大阪府生まれ。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。2020年、「化け者心中」で第11回小説野性時代新人賞を受賞し、デビュー。21年に同作で第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞、第27回中山義秀文学賞を受賞。22年に刊行した『おんなの女房』で第10回野村胡堂文学賞、第44回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    この作家さんは初めてですが、かなり歌舞伎など歴史的なところを勉強されている気がしました。澤村田之助(北森鴻の「狂乱二十四孝」に出てきます)を思わせる足の不自由な元女形とそれを助ける鳥屋(私は最初焼鳥屋かと思ってしまいまっした)の若い人物が鬼が成り代わっている人物を見つけ出すなど楽しい趣向があります。ほかの作品も読みたくなりました。

  • sin

    「いっち怖いのは人様で、なかでも役者と云うやつは…」江戸と云う時代の歌舞伎と云う異界、その化け者揃いの役者の中に本物の化け物が紛れ込み…足を無くした元女形の魚之助は脚を勤める藤九郎におぶさって、役者に化けた鬼を炙り出す。芸の為ならと鬼畜の所業をさらけ出す鬼より怖い役者たちの誰が鬼の隠れ蓑か?その正体が証されたときタイトルの『化け者心中』が、その舞台に姿を現す。それにしても野暮な男に背負われた魚之助の恋心が物語を貫いて心に沁みる。

  • goro@the_booby

    中村座で上演される心中ものの役者の一人が鬼に成り代わった。座元から鬼捜査を依頼されたのは元女形で足を失った魚大夫と鳥屋の藤九郎。鬼は誰だとそれぞれの役者を調べるのだがだれも「鬼」のよう。人も簡単に人でないものに変わってしまう中、人と鬼を分けるものは何なのか。さらりと深い時代物でした。蝉谷めぐ実シリーズ2作目も読みたい。

  • Kanonlicht

    足を失い舞台を降りた当代一の女形と、その足代わりを務める朴訥な鳥屋のコンビが、江戸の芝居小屋で役者になり代わった鬼探しに奔走する。犯人当てを中心にしているけれど、ミステリーというよりどちらかというと人情噺。芝居に生きる(芝居にしか生きられない)役者たちの胸の内はそもそも常人とはかけ離れていて、鬼などいなくても平生から魑魅魍魎の世界というのが面白い。ただ、現実に即しているのかファンタジーなのか終盤まで明らかにされなかったのが個人的には惜しい。

  • 小太郎

    最初読んですぐ、こんな語り口で小説を書けるんだと驚きました。江戸の地口やべらんめえ口調、上方言葉を巧みに使いながら芝居小屋で起きた殺人ミステリとしているのが凄い。また歌舞伎への造詣の深さは読んでいても強く感じます。この小説は4年前で作者が28歳の作品でまた吃驚。話は芝居の前読みに集った6人の役者の一人が鬼に食われ、鬼がその人物に成り代わっているが誰だかわからない。それを捜査するのが足を失った元人気女形魚之助と足替わりを務める鳥屋の藤九郎。芝居の豪や奥深さが上手く描かれています。時代小説各賞受賞も納得。★4

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