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幕末の天皇 講談社学術文庫

藤田覚

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062921572
ISBN 10 : 406292157X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

近代天皇制を生み出した、十八世紀から八十年にわたる朝廷の“闘い”のドラマ―。神事や儀礼の再興・復古を通して朝権強化をはかった光格天皇。その遺志を継いで尊皇攘夷のエネルギーを結集しカリスマとなった孝明天皇。幕末政治史の表舞台に躍り出た二人の天皇の、薄氷を踏むような危うい試みを活写し、「江戸時代の天皇の枠組み」を解明する。

目次 : 第1章 江戸時代の天皇(幕藩権力と正統性/ 天皇・朝廷の統制/ 朝幕関係の現実―形式と内実/ 十八世紀末の天皇を取り巻く状況―天皇浮上の客観的条件)/ 第2章 光格天皇の登場(光格天皇という事件/ 天明の大飢饉と光格天皇/ 光格天皇の君主意識)/ 第3章 天皇権威の強化策(復古・再興ブーム/ 御所の復古的造営/ 尊号事件おこる/ 対外的危機と朝廷/ 大政委任論の成立/ 天皇号の再興)/ 第4章 鎖国攘夷主義の天皇(即位と生活/ 天皇と対外的危機/ ペリー来日と朝廷/ 日米通商条約勅許問題―幕末維新史の転換点)/ 第5章 江戸時代最後の天皇(公武合体か尊王攘夷か/ 真偽不分明の勅命―公武合体運動と尊攘運動の対立抗争/ 「非義」の勅命と孝明天皇の死)

【著者紹介】
藤田覚 : 1946年、長野県生まれ。千葉大学文理学部卒業、東北大学大学院博士課程修了。東京大学名誉教授。文学博士(東北大学)。専攻は日本近世史・近世政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 樋口佳之

    ただたんに世界情勢に疎いからやみくもに通商条約に反対したのではなく、光格天皇以来強まった神聖な皇統意識、君主意識の存在を見落としてはならない。/明治維新の王政復古を三人の天皇、光格天皇、孝明天皇、明治天皇で表現してみると、「光格がこね 孝明がつきし王政復古餅 食らうは明治」ということ/御所とその周辺は、御所千度参りをするため何万もの人が集まり、施しとしての接待のほかに、たくさんの露天商が出て賑わう。/こんな事あったのか

  • HANA

    幕末の朝廷の動きと、政治的に無力だった天皇がなぜ幕末において急にその存在感を増したのか、を考察した一冊。光格天皇、孝明天皇の治世を舞台にしているのだが、光格天皇はについてはほとんど知るところが無かった。しかしこれを読むと天皇の存在感は基本光格天皇の時代に成立した事がわかる。後、幕末になるにつれて変化する幕府と朝廷の力関係とか、攘夷を主張したはいいがそれに縛られて身動きが取れなくなる図とかどこを読んでも興味深い。幕末というとどうしても幕府と志士の動きが中心となるので、こういう視線からの一冊はありがたかった。

  • 梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

    NHKの光格天皇譲位のドキュメントで著者を知った。光格天皇と幕末の孝明天皇を中心とした朝幕関係のドキュメント。江戸時代に影が薄くなっていた朝廷・天皇の権威がにわかに向上してきた経緯が語られている。二者を比べると断然光格天皇の方が面白く興味深い。傍系出身の光格天皇、その生い立ちに由来する思考が天皇としてのあり方に大きく影響したことが理解できた。文化的な造詣が深く、種々の祭儀を復活させるなど、その人間性の方にも関心を抱いた。

  • 中年サラリーマン

    江戸時代初期、全く存在感のなかった天皇。それが、幕末に向けてなぜあれだけの権威を持つにいたったのか?孝明天皇の祖父光格天皇の生涯を中心に描く良作。江戸時代末期の時代背景が幕府の求心力を低下させるとともに、傍流だった光格天皇が権威をましていく様子が丹念に描かれる。その権威が、孝明天皇時代へと受け継がれ尊皇攘夷の熱狂を作り出し、最後には孝明天皇自身も制御できなくなりまた時代の流れとも乖離し毒殺ではないかという説もでるくらいになるという時代の変遷がわかってよい。

  • MUNEKAZ

    幕末維新期に大きな影響を与えた孝明天皇と、その活躍の下地を作った祖父・光格天皇を描いた一冊。幕府の失政と光格天皇の神事・朝廷復興策により高まった天皇の権威は、攘夷を唱える孝明天皇の代で最高潮を迎える。だが攘夷派が望むのは「天皇」という権威・旗印であって、幕府との共存を望む孝明天皇個人の意思は蔑ろにされていく。著者も述べるように、孝明の死後、幼帝の明治天皇即位で討幕運動が急展開するのもその証左である。幕末を天皇側から眺められる良書。

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