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天皇の歴史 6 江戸時代の天皇 講談社学術文庫

藤田覚

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065116401
ISBN 10 : 4065116406
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

無力の天皇が君主の実権を握ったのはなぜか。学問で権威を高め飢饉に救い米を出させた光格天皇。幕末に権力を極めた背景を検証する。

【著者紹介】
藤田覚 : 1946年、長野県生まれ。東北大学大学院博士課程修了。東京大学史料編纂所教授、東京大学文学部教授を経て、東京大学名誉教授。専攻は日本近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • がらくたどん

    中世から戦国時代を経て天皇は「現実時間の政治」と「古典(伝統)」という現在と過去を繋ぎ世界の連続性を担保して特に武家の立ち位置に大義を与える「文明社会のエージェント」となった。これが江戸時代になると武士にも「文明人」としての自信が育ってくるが、新井白石は「天皇・朝廷は武家の必要から保護されている存在」だが序列は「天皇は将軍より上」と捉えている。江戸時代にすでに機関説を内包する天皇と将軍の君臣関係が提示されているのが面白い。この「政権の代表者は、政治的な実権を握っても天皇を否定したり、取って代わろうとしない

  • ∃.狂茶党

    今の所シリーズで一番面白い。 近年まであまり触れらられてこなかった、江戸時代の天皇たちが、生き生きと描かれる。 幕末に物事がよじれていき、天皇の権威が高まっていき、天皇自身を置き去りにしていくところなどは、多くの幕末維新物語とは違った視点を与えてくれる。 大ヒットした、『大奥』の読者にもおすすめ。

  • chang_ume

    後水尾・霊元・光格の長命天皇が主体。なかでも画期中の画期が光格でしょう。宿願だった朝儀再興に加えて、「復古」の次元に踏み込んだ活動。また「生前譲位」と死後「天皇号」「諡号」復活。特異といっていい存在感です。ほぼ中興の祖といいたい。長きにわたる彼の治世で、「大政委任論」や「皇国」意識など、君臣秩序の名分論が実態論を凌駕する動きが顕在化していく。背景に指摘されるものは、18世紀末の幕藩制国家が迎えた(初発的ながらの)体制的危機。明仁現上皇が、譲位表明前に光格を事例調査した件も、歴史の因果というか魔力を感じる。

  • 富士さん

    江戸時代の天皇の在り方に興味があったので、良い本を探していましたが、この分野で有名な藤田さんの、ドンピシャな本があったので思わず手に取りました。江戸時代の天皇の歴史は、ソフトパワーの底力をまざまざと見せつける実例だと思います。カネもチカラもなく、権威すらも陰った天皇が、伝統をてこに少しずつ存在感を固め、ハードパワーの空洞化に乗じて影響力を高めていく過程は、ソフトパワーの在り方に興味のあるものにとっては、とても参考になるものでした。明治以降の天皇を相対化し、次の時代へのヒントを得るにも、この時代は重要です。

  • spanasu

    幕府の承認がなければ進退すら定められなかった近世初期の天皇は、学問や和歌を通じて文化的権威を高めた。光格天皇の時代に転換期を迎え、孝明天皇は政治的権威を持つ器を得たが、一方で生身の天皇に権威はなく、自己意識としては「江戸時代の天皇」であったが、死後「近代の天皇」となった。現上皇は、器は政治的権威をなくした時代で生身に支持を得た天皇だったと言うことができるかもしれない、と思った。ともかく江戸時代の天皇・朝廷について理解できる良い本だった。

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