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シン・ゴジラ論

藤田直哉

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784861826122
ISBN 10 : 4861826128
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ぼくらは、なぜ、“コジラ”を求めるのか?あらゆるゴジラという可能性を語り尽くす。

目次 : 第1章 ゴジラ対3・11/ 第2章 ゴジラ対天皇/ 第3章 ゴジラ対メタゴジラ/ 第4章 科学対物語/ 第5章 神対罪/ 第B章 “笑い”の逆襲

【著者紹介】
藤田直哉 : 1983年、札幌生まれ。早稲田大学第一文学部卒、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻修了。博士(学術)。批評家。二松学舎大学、和光大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Bugsy Malone

    過去のゴジラシリーズから「シン・ゴジラ」を経て、「ゴジラ」とは何なのか、日本人に与えた影響は、そしてまた「ゴジラ」というものの立ち位置をこれでもかという引用を引き合いに出しつつ、そこに時代背景をも含め論じたゴジラ論、という感じでした。正直、引用部では不勉強が祟り解りづらい事や〈著者の思想を反映したかなり強めな論調〉と思える部分も有りましたが、同調出来る出来ないに関わらず非常に興味深く、かつ面白く読ませていただきました。様々なゴジラ論が有る中、何よりゴジラに向き合う著者の真剣な姿勢に圧倒されました。

  • アナクマ

    「災害にもスペクタクルがある」被災者の心痛や酷烈な光景を考えると大いに問題発言だが、同意する自分がいる。もちろん不謹慎でタブーだから、倫理的な反省もセットで表明される(でも、世界中のカメラは「びっくり映像」を撮る/見せることを止めない)◉さて、私たちが現実を生きるために必要な虚構の代表格に神・宗教がある。その角度からシンゴジラを中心に論じるのが本書。ゴジラ=死者説の系譜検討や、シリーズ全体を俎上にあげた「科学の悪循環」など。面白い。◉創作物は、水面に投げ入れた小石。波紋を起こさずにはいられない、力の輸送。

  • keroppi

    3.11、安倍首相、イデオロギー、天皇、原発、電通、神、科学、文化、憲法、浪漫、笑い、様々に論は発展する。「シン・ゴジラ」とは、「ゴジラ」とは、そういう映画たちなのかもしれない。作り手が、そこまで深くは考えていなかったと思うのだが、観る人の心を炙り出す力を持った作品なのだろう。私自身、「ゴジラ」に魅せられてならない。こういう本を読むと、さらに深読みしたくなる。

  • 姉勤

    近日地上波でやるというので(視聴予定は無し)。昨年公開映画を中心に、第1作の初代ゴジラからつづく、多くの著名人や識者の「ゴジラ論」を牽き、隠喩や背景を考察する。同監督のエヴァンゲリオン直撃世代というので、当時巷にあふれた考察本よろしく、作品中のふりまかれた思わせぶりなデコイに悉く食いつき、解説や元ネタを提示せねば気が済まなそうなのは、目の前の検索装置と膨大なリソースを活用し始めた世代の癖(へき)というところか。 20代の頃なら咀嚼もせず受け売って吹聴していたかも知れない。娯楽映画は娯楽として観るが吉。

  • 梟をめぐる読書

    ゴジラは「象徴」である。英霊の、戦死者の、水爆の、天皇の、三島由紀夫の、震災の、津波の、原発の。そうしたあらゆる「解釈」を怪獣的に呑み込みながら同時にすべてを拒む「ブラックボックス」としてゴジラは在る、と著者はいう。そのように認めることによってのみ、私たちはゴジラを政治的なイデオロギーから解放することができるのだ、と。その根底にあるのは、日本において低級“だからこそ”無意識的なタブーの表現による昇華に向かわざるを得なかった戦後サブカルチャーという分野に対する、著者の深い愛情。論旨は明快だ。

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