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わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

藤田壮眞

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784046836618
ISBN 10 : 404683661X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan

Content Description

15歳、自閉症当事者が書き下ろす
みずみずしくも胸に迫る自伝エッセイ

自閉症者は何を考えているのか?
世界がどういう風に見えているのか?
その心の声を真っすぐに書いた渾身のデビュー作の登場!

(――五章 中学生編「あなたとわたしの区別がつかない」より)
わたしは、あなたとわたしの区別がつかない。
自分と他人の区別がつかないのは赤ん坊だそうだ。赤ん坊が成長して、一歳ごろに自分以外に人間がいることに、気がつく。これを発達と言う。保健の教科書にそう書いてある。二歳ごろになると、他の人は、自分と違うことを考えていると理解する。このあたりで、世界には自分と、自分ではない誰かがいるとわかるのだ。
わたしは精神の一部が、いまも二歳以下であるようだ。わたしの中に二歳児がいる。怖くて、しかし面白い。わたしがわたしであるように、同じように誰かも誰かである。自分でない誰かは、わたしとは違う人間である。別々の心を持っている。ゆえに、わたしが体験したことは、わたしだけのものである。あなたが体験したことは、あなただけのものである。説明されれば理解はする。何度も口に出して言ってみる。だかしかし、ほんとうのところではわからない。わたしが知っていることは、みんなも知っていると思ってしまう。

【著者プロフィール】
4歳の時に自閉症スペクトラムの診断を受け、小学校では支援級に在籍。13歳で重度自閉の判定が出る。中学受験を経て現在は私立高校に通う。
中学3年時に夏休みの課題の作文「自閉症を持つ私から見た日常」が文部科学大臣賞を受賞。
自身が経験した、外見や行動が相手に与える誤解、コミュニケーションに生じる不調や、脳の特性による世界の見え方などを綴り、SNSでも大きな話題となった。

【著者紹介】
藤田壮眞 : 4歳の時に自閉スペクトラム症の診断を受け、小学校では支援級に在籍。中学受験を経て現在は私立高校に通う。中学3年時に夏休みの課題作文「自閉症を持つ私から見た日常」が文部科学大臣賞を受賞。自身が経験した、外見や行動が相手に与える誤解、コミュニケーションに生じる不調や、脳の特性による世界の見え方などを綴り、SNSでも大きな話題となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • tamami

    著者は15歳、「自閉症を持つ私からみた日常」という作文で文部科学大臣賞を受賞した経歴を持つ。15歳にしてこの文章力を発揮する著者に感服。自閉症という、実態について詳しく知ることが少ない症例を、内側から見つめ表現した事例として大変貴重なものではないか。本書を読む前と後では、発達障害をもつ子どもへの眼差しが変わってこよう。ここまで我が子に寄り添いながら、共に歩んでこられたお母さんの姿に感動する。全てのページに添えられたイラストは、著者自らの手になるもの。文章と共に、当事者の心の内を理解する大きな手助けとなる。

  • Roko

    この本から、自閉症の人が考えていることを教えてもらい、「そうだったのか!」とわかることがたくさんありました。本当はイヤだと言えればよかったのだけど、どういう風にイヤと言えばいいのかわからなかったから、黙り込んだり、暴れたりしてたのだということがわかって来るのです。 壮眞さん本人が大変なのはもちろんですが、彼をここまで育ててきたお母さんは凄いですね。きっと最初はどうしていいか分からないという所から始まったのだろうけど、今は彼の一番の理解者なのだと思います。

  • onasu

    自閉症の人はどんな感じ方なのか。その当事者(現在は高校生)が、中学3年生の折の作文「自閉の私から見た日常」で文科大臣賞を受賞、それを元に幼児時分から書き起こした。  彼らは関心を示したもののみに一心不乱という傾向があるが、それは情報の取捨選択ができず、パソコンに例えるとメモリー容量が少ないのだとか。だから、突発事項があると騒ぎだしてしまう。また他人を認識するのも苦手で、自分と違うことを学習して知識としているとか。  症状の程度や個人差も大きく一様ではないそうだが、その一端を覗けたのは興味深かった。

  • スズコ(梵我一如、一なる生命)

    Eテレで出ていた屈託のない自閉症の少年の、自身によるここまでの記録と今振り返っての思い。真っ直ぐな言葉たちでとても読みやすく、素直に響いた。私自身も傾向として、自分と他者の区別がつかず、他者の心情を読むことがとても苦手。だから宇宙人とも呼ばれる。あぁなんと腑に落ちる本だっただろう。それでも、私も生きていかねばならないし、なんとかやっていかねばならない。大なり小なり、この本の示す気持ちに共感する人も多いのではと思う。ありがとう、そう伝えたくなる読書だった。また読み返したい。

  • えつ

    15歳、自閉症当事者が書き下ろす、みずみずしくも胸に迫るエッセイ。4歳のときに自閉スペクトラム症の診断を受け、小学校では支援級に在籍。中学受験をして、現在は私立高校に通う。中学3年時に夏休みの課題作文「自閉症を持つ私から見た日常」が文部科学大臣賞を受賞。 自閉症の方がどのような日常を過ごしているのか、どのように考えているのか、改めてよく知ることの出来た1冊だった。これがすべてじゃないのは分かるけど、フルオープンにしている家庭の葛藤なんかは伝わると思う。もっと色んな人に読まれるべき。イラストが普通に上手い。

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