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愛国者たち 講談社文芸文庫

藤枝静男

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062901932
ISBN 10 : 4062901935
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

明治24年、日本訪問中のロシア皇太子ニコラスへの暗殺未遂、大津事件に関わった愛国者たち―。津田三蔵、畠山勇子、明治天皇、児島惟謙らを軸に、歴史の変動の渦中にある人間を見つめた表題作ほか7篇。戦後日本の転換点に直面した異能の私小説作家が、自己の文学的葛藤と追究の痕跡を刻印し、平林たい子文学賞を受賞した、知られざる名作。

【著者紹介】
藤枝静男 : 1907・12・20/戸籍上では1908・1・1〜1993・4・16。小説家。静岡県生まれ。旧制八高時代に平野謙、本多秋五を知る。1936年、千葉医科大学卒業。42年、海軍火薬廠付属病院に勤務。戦後は妻の実家で眼科診療を手伝い、50年、浜松市で眼科医院を開業。この間、47年、最初の小説「路」を平野、本多の勧めで「近代文学」に発表。以後、医業のかたわら創作活動を行う。67年、「空気頭」で芸術選奨文部大臣賞、74年、「愛国者たち」で平林たい子文学賞、76年、「田紳有楽」で谷崎潤一郎賞、79年、「悲しいだけ」で野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • フリウリ

    1973年刊行の「愛国者たち」の文庫化。1970年、62歳で藤枝氏は医師を廃業している。本書所収の小説群は、医師廃業後に書かれたもののようである。「愛国者たち」「孫引き一つ」は、大津事件の顛末に関する歴史小説で、藤枝氏の目の付け所は独特だが、これ以外の歴史小説はないようだ。仕事を引退して急速に老境へと向かう主人公(著者)が、仏像や絵や焼物を見るために右往左往する内容が多く、おもしろく読みました。1974年刊の「田紳有楽」へとつながります。8

  • Shun'ichiro AKIKUSA

    「キエフの海」、「私々小説」、いいですね。

  • Mirror

    読みながら藤枝の私小説感について漠然と考えてさせられた。自分が経験したことを具に描く狭義の私小説ではなく、そこで自分が想起する夢想的な事柄を散りばめながら、「風景小説」のタイトルで収録された話における、眼前に拡がる具象を自らの眼を通すことで浮かんでくる客観的な風景の姿をを混ぜながら描く自分なりの私小説を意識的に作っていったことがなんとなくわかった気がする。

  • バーニング

    藤枝静男の小説は2冊目だが、彼の文章を読んでいると小説とはなんだろうかという気分になる。表題作は歴史小説と歴史叙述の中間というところだろうか。「接吻」は質の高いエッセイだし、「私々小説」は日記のようにも読める。「キエフの海」と「老友」は小説として読めるが、小説的になりすぎない(物語に大きな意味をこめない)のは藤枝だからなのだろう。おそらく。

  • レフラー

    田紳有楽にいたる道のようなものが見え隠れしていた。しかしここからどうやってあそこまで飛んだのだろうか。

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