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戦国の村を行く 朝日新書

藤木久志

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022951267
ISBN 10 : 4022951265
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

あいつぐ戦乱に加え、飢饉・天災の中を村人たちはどうやって生き抜いたのか?落城後の城下で横行した、苛烈きわまる人の略奪と売買。戦国の戦場には、一般の雑兵たちのほか、「濫妨衆・濫妨人・狼籍人」といったゲリラ戦や略奪・売買のプロたちが大名軍に雇われ、戦場を闊歩。戦争の惨禍の焦点は、身に迫る奴隷狩りにあった。村の人々や領主は、それにどう対処したのか。したたかな生命維持装置としての村とは何か。戦国時代研究の第一人者による名著復活!

目次 : 1 村の戦争(戦場の荘園の日々―和泉国日根荘/ 村人たちの戦場/ 戦場の商人たち)/ 2 村の平和(荘園の四季/ 村からみた領主/ 村の入札)/ 3 中世都市鎌倉(鎌倉の祇園会と町衆)

【著者紹介】
藤木久志 : 1933年、新潟県に生まれる。新潟大学卒業・東北大学大学院修了。文学博士。立教大学名誉教授。日本中世史専攻。2019年、逝去

清水克行 : 1971年、東京都生まれ。立教大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科単位取得退学。現在、明治大学商学部教授。専門は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 鉄之助

    これまでの数々の歴史の”定説”を覆してきた藤木久志の、名著の復活版。やっぱり面白かった。『〜の戦国を行く』シリーズの代表作だった。戦国時代、領主の城以外にも村人が緊急避難のための自分たちのための”城”を山の中に作っていた。村人の暮らしを古文書から探るだけでなく、その場に「行って」真実を探り当てる、その手法が素晴らしい。単に上下関係だけでなかった、領主と村人の"相互契約"関係がビビットに伝わってきた。

  • 樋口佳之

    村人たちは「みじめな被害者」どころか、「侍」にもなれば、村を襲撃する「野武士」や「死の商人」になることすらあったのである。現実は、映画のように単純な善悪で割り切れるものではなかった。/著者も解説者もあの長編映画中白眉のシーンである菊千代の長台詞に触れてないのは残念。かたや娯楽フィクションかたや歴史学だとしても。冷厳で徹底的な日和見主義者としての村を表現していたと思うな

  • ホークス

    元本は1997年刊。前半はとても興味深い。室町〜戦国時代の農村と領主の関係について、本当の姿に迫っていると思う。『七人の侍』の世界で、農民たちは実際にどう戦い、領主とどう対峙していたのか。古文書から現れたのは、ワイルドで狡く、懸命に楽しむ、誠に人間らしい農民像だった。領主と農民は年貢をめぐって対立しつつ、衝突を避けるため付き合いを重視。戦争の勝敗にも農民の支持や参戦が作用した。武装解除は秀吉あたりから徐々に進み、文化は大きく変わる。本書後半はイマイチ。著者の真意を私は理解し損ねているかも知れない。

  • saga

    織豊期、領主:支配層と村人:百姓は、ほぼ対等に渡り合っていたということに、新鮮な驚きを覚えた。支配層の為政に不満があれば裁判もし、それでも聞き入れられなければ逃散も辞さない。しかも、戦乱の際に村人は、領主の館、寺社、果ては山の中の簡易な「城」に避難して、生命と財産を守るしたたかさがあったのだ。まさに自助・共助の実践で、いつから依存心は高いくせに、為政者に対する正当な反発ができない民族になってしまったのか?

  • HMax

    これまで持っていた「惨めで非力な虐げられた民衆が互いを助け合って生きていく排他的で保守的な「村」」が全くの間違い!!であるという驚きの一冊。人質を取られたら、人質を取り返す(仕返しに人質を取る)、新しい地頭に立派な屋敷を立てよと言われても反対し裁判に持ち込む、略奪に立ち向かうために城を作る、一般の村人なら成人すれば脇差がさせた、それが無理でも鎌をさせた。等々、面白い一冊。

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