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満天のゴール 小学館文庫

藤岡陽子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094072341
ISBN 10 : 4094072349
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

奈緒は夫に裏切られ、十歳になる涼介を連れて、故郷・京都の丹後地方に逃げるように帰ってきた。そんな折、父親の耕平が事故に遭い、地元の海生病院に入院。そこで医師・三上と出会う。また、路上で倒れていた同じ集落の早川という老婆を助け、仲良くなる。ペーパーナースだった奈緒は、この地で涼介と生きるため海生病院で働き始め、三上の同僚に。医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する彼には暗い孤独の影があった。一方、人生を諦め半ば死んだように生きる早川を元気づけたい奈緒と涼介は、ある日重大な秘密を知る。その真相とは。死生観を大きく変える感涙小説、待望の文庫化。巻末の特別対談は必読です!

【著者紹介】
藤岡陽子 : 1971年京都府生まれ。同志社大学卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」で北日本文学賞選奨。09年『いつまでも白い羽根』でデビュー。21年『メイド・イン京都』で京都本大賞受賞。現在も看護師として勤務を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • となりのトウシロウ

    夫の浮気により、十歳になる息子・涼介を連れて父がいる故郷の北丹後に戻ってきた奈緒。地元の海生病院で看護師として働く。医療過疎地域で奮闘する三上は海生病院の常勤医師として、半島最北の医師がいなくなった診療所の代理医師として在宅医療に従事していた。命が尽きる日をゴールとしてそこまで精一杯生きる人達の意志を尊重する三上の姿が胸を打つ。「人は一生に一度しか死ねない、たった一度だけの死だから自分にも周りの人にも悔いのないようにしたい。」死に様はその人の生き様を写す。涙無くして読めない感涙小説。

  • チーママ

    「先生、ゴールまであとどのくらいやろか」丹後半島の北端の医療過疎地に暮らすトクさんが、往診に来た三上にこの言葉を投げかけたとき、もしかしてゴールって死ぬこと?と気がついたが、二人の会話は実に長閑で温かみのあるものだった。三上がなぜ死ぬことをゴールと言うようになったのかにはある理由があったのだが…。見送る者も見送られる者も、死ぬと言うよりゴールの方が明るくて軽やかで絶対に良い。私もいつかはゴールを迎える。それをどこで迎えたいかは思案中だが、おばあちゃんはゴールまで走り抜いたね、そう言われたら嬉しいな。

  • カブ

    夫に裏切られて10歳の子どもを連れて田舎に帰ってきた奈緒。生活のために、ペーパーだった看護師として海生病院で働き始める。医療過疎地域での医療や看護、看取りまでリアルに描ききっているこの作品は、患者一人ひとりにドラマがあり、最後まで自分らしく生きようとする姿を見せてくれる。

  • みんとあめ

    夫に裏切られ、十歳になる涼介を連れて故郷へ戻った奈緒は、この地で生きていくために病院で働き始める。涼介がいい!出会う人達の懐にすっと溶け込み、仲良くなる。両親の問題にも立ち向かう姿は逞しすぎて、こうなりたいと思った。そして、早川と三上先生の過去は辛く苦しいものだった。互いの存在が生きる力になっていた事、抱えていた思いを伝え合い、すれ違いが解け、迎えたゴールは涙が溢れた。特別対談も心に響く。過疎地医療、ヤングケアラーなど様々な問題や死生観について考えさせられる物語。大切にしよう。涼介の成長をぜひ見たい。

  • piro

    夫に裏切られ、小学生の一人息子・涼介と共に故郷の丹後半島に戻った奈緒。医療過疎地でナースとして働くことになった彼女が医師の三上や患者達と関わっていく姿を通じ、人生のゴールのあり方を問いかける作品でした。重い主題ですが伊根の穏やかな海がそれを和らげてくれる様。皆んなが穏やかな最期を迎えられるといいな。そして涼介が逞しくてカッコいい。彼はこれからも皆んなに勇気を与えてくれるだろうな。「誰にも救ってもらえないのなら、あなたが救う人になればいい。救われないなら救いなさい。」この言葉が心に深く残りました。

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