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決定版 ナチスのキッチン 「食べること」の環境史

藤原辰史

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784907986322
ISBN 10 : 4907986327
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ドイツ近代の「台所」「竈」の歴史をたどりつつ、やがて訪れるナチスは、どのようにキッチンを、そして栄養やエネルギーまでもを改変し、ファシズムに取り込んだのか。当時のレシピやキッチンの設計図など、入手できる限りの史料をつぶさに踏査し、「1分チャージ」のキャッチフレーズで知られるように栄養をとりこめば事足れりとする機能性重視の現代の食生活こそ、まさにナチス時代のそれだった、という歴史を検証しています。

目次 : 序章 台所の環境思想史/ 第1章 台所空間の「工場」化―建築課題としての台所/ 第2章 調理道具のテクノロジー化―市場としての台所/ 第3章 家政学の挑戦/ 第4章 レシピの思想史/ 第5章 台所のナチ化―テイラー主義の果てに/ 終章 来たるべき台所のために

【著者紹介】
藤原辰史 : 1976年、北海道に生まれ、島根県で育つ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中途退学。博士(人間・環境学)。京都大学人文科学研究所准教授。専攻は、食の思想史、農業史。著書に、『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房、2005。新装版、2012。第一回日本ドイツ学会奨励賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • たまきら

    表紙のデザインが見にくい!先日読んだ雑誌でこの人のコラムが大変興味深かったのでこの本を手に取りましたが、ナチスという狂信者の集まりが国民に、男に、女に求めた「完璧さ」のあやうさの記述に、現代と似たものを感じてぞっとした。なるほど、こういう考察をされていればオーガニック食品の推進に一言言いたくなるわけです。闘争の十か条、という主婦向けの要望には「無駄をなくせ」「国産のものを消費せよ」といった言葉が並ぶ。そういえばヒットラーは菜食主義者だったらしいのよね…。

  • おさむ

    死ぬまで禁酒・禁煙で菜食を好んだヒトラー。第三帝国は「健康と清浄な身体に取り憑かれた政権」だったという。ナチズムは軍国主義とともに健康至上主義を導入したが、その最前線が台所、キッチンだったとする主張はたしかに一理ある。主婦たちも無意識のうちに戦争に動員されていたのだ。「ダイエット」という日本でも人気のこの言葉は、じつは痩身という狭義だけでなく、医師に指示された食生活という意味もあるのだという(ライザップか!)。現代日本でも食べるという文化行為が単なる栄養摂取に近づいているのでは?そう自問せざるを得ない。

  • さきん

    ついに読めた。工業化、近代化にともなって火から電化が進み、人の流れも都市へ流れていく中で、キッチンも狭く、労働に最大の生産を注ぐために家事も合理化され、機能的なシステムキッチンが確立されていった。最初は女性解放を秘めるリベラルな女性活動家が中心に引っ張るも、ナチスに入ってからは、戦争に貢献しうるという点でキッチンの合理化が志向。一方でナチスとしては、健康な人材を輩出するためにも、昔ながらの非合理的な竈つきの農家のようなゆとりある家が必要という認識も大いにあった。

  • kuukazoo

    ヴァイマル時代からナチス期のドイツにおける台所と食の近代化(動線を効率化し衛生的なシステムキッチンの原型、ガスや電気、家電や加工食品や化学調味料、レシピ本、栄養学の普及など)の歴史、さらにそれらを背景にナチスが戦争政策として国民の食にどう介入したかを詳察する。テクノロジーやテイラーシステムが組み込まれた台所は効率や利便性と引き換えにそこで働く人の身体を機械化し食の背後にある様々な問題を見えづらくするということか。時短や便利さを追求することの功罪にモヤる。台所は歴史的にも大変奥深い場であり、学びになった。

  • leo

    すごいボリュームの一冊…ようやく読めた。結婚し、子供もできた今、おそらく自分が1番多い時間を過ごしているであろう台所について、こんなふうに学術的に考えたことがなかったので新鮮だった。素朴な疑問として、本書でも私は結構読むのに苦労したのだが、その昔ドイツで発行されていた家政学の論文が掲載されていた雑誌は一体誰向けのものだったのだろうか…当時のドイツの主婦はそんなにリテラシーが高かったの?本書に登場した主婦ヒエラルキーのトップはそれぐらい読み解ける人たちだったのか。

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