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凡庸という悪魔 21世紀の全体主義 犀の教室

藤井聡

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784794968197
ISBN 10 : 4794968191
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「思考停止」した「凡庸」な人々の増殖が、巨大な悪魔=「全体主義」を生む。21世紀の全体主義は、ヒトラーのナチス・ドイツの時代と違い、目に見えない「空気」の形で社会を蝕む。ハンナ・アーレント『全体主義の起原』の成果を援用しつつ、現代日本社会の様々な局面で顔をのぞかせる、「凡庸という悪」のもたらす病理の構造を鋭く抉る書き下ろし論考。思考停止が蔓延する危機の時代に読まれるべきテキスト。

目次 : 全体主義を導く「凡庸」な人々/ 第1部 全体主義とは何か?―ハンナ・アーレントの考察から(全体主義は、いたって特殊な「主義」である/ ナチス・ドイツの全体主義/ “凡庸”という大罪)/ 第2部 21世紀の全体主義―日本社会の病理構造(いじめ全体主義/ 「改革」全体主義/ 「新自由主義」全体主義/ グローバリズム全体主義)/ おわりに―「大阪都構想」と「全体主義」

【著者紹介】
藤井聡 : 1968年奈良県生まれ。京都大学大学院工学研究科教授(都市社会工学専攻)。京都大学土木工学科卒、同大学院土木工学専攻修了後、同大学助教授、東京工業大学助教授、教授、イエテボリ大学心理学科客員研究員等を経て、09年より退職。また、11年より京都大学レジリエンス研究ユニット長、ならびに第二次安倍内閣・内閣官房参与(防災減災ニューディール担当)。文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。専門は、公共政策に関わる実践的人文社会科学全般(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • きいち

    旗幟鮮明。これは、対話の本ではない。「ヤツラ」を名指しし、ヤツラのような思考停止に陥るなというアジテーションである。全体主義=テロル、大衆の「俗情」が産み育てるもの…そんなアーレントの思考たちを、いじめ、「改革」、新自由主義、グローバリズムと現代の対象に適用することで、読む人に「わがこと」と考えさせようとしていく。◇「思考停止」している人は、自分が思考停止しているとは考えていない。むしろきっと、人一倍勉強してると思ってる。ヤツラに向き合うために必要なのはまず自分に自信を持つこと。そこまで、危機は迫ってる。

  • ロア

    思考停止した凡庸な人々の増殖が、巨大な悪魔=「全体主義」を生む◉とにかく改革すれば全てが良くなる!という『「改革」全体主義』◉自由な市場で人々が自分だけの利益を追求すれば、最適な状況が達成される!という『「新自由主義」全体主義』◉地球はひとつの共同体!世界を一体化し自由経済を進めよう!という「グローバリズム全体主義」。。。今となっては止めようがないし、もう元には戻れない。最後には破滅が待っているんだなぁ( ´兪)◉全体主義現象の7つの特徴@思考停止A俗情BテロルC似非科学DプロパガンダE官僚主義F破滅

  • テツ

    ハンナ・アーレントの思想を説明しながら語る、グローバリズムという聞こえのいい言葉を隠れ蓑として蔓延していく今日の世界の危険なモノ。思考停止して大多数の人間が凡庸な考えに浸ることを是としたときに全体主義的な香りはたちこめてくる。場の空気や周囲の顔色によって思考を止めてはならないし、最も軋轢がなさそうで無難な答えを適当に選んではならない。どうやら新自由主義とかグローバリズムは一般民衆をそれほど幸福にはしないという気づきの先に世界は何処に向かうのか。

  • ネコ虎

    著者の指摘にほとんど全て同意。新自由主義批判、グローバリズム批判等々。そして凡庸なる大衆人に罪があることも首肯する。確かにそうではあるが、極端にそれを言い募られると少し怖い。凡庸なる大衆人の「罪を告発する」という全体主義の危険性はないのだろうか。今の左翼はまさに藤井氏の指摘つまり戦前戦中に何もしなかったと反省し、せっせと強迫的に左翼活動をしているのではないか。また全体主義概念を拡張し過ぎの感あり。世の中の問題は全部「〇〇全体主義」とのレッテル張り。これでは饅頭三つ食うと死ぬまで長生きするという話と同じ。

  • Ex libris 毒餃子

    凡庸という思考停止状態が全体主義へとつながる、という説を具体的な例を使って説明した本。新自由主義経済については同意するところもあるがグローバリズムについてはいまいち同意できない面もあった。

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