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大衆社会の処方箋 叢書新文明学

藤井聡(社会科学)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784779303920
ISBN 10 : 4779303923
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

我々のこの近代文明は、「大衆化」という重篤な病に冒されている。本書は、そんな「大衆化」という病の構造を、実証的な社会哲学を用いて明らかにせんとする。その上で、いかにしてその重篤な病と付き合い続けながら生きていくべきなのかを思索、探索した結果をとりまとめたものである。

目次 : 現代文明社会の問題と危機/ 第1部 大衆に対峙する哲学(実学としての社会哲学/ 「大衆の反逆」の哲学/ 大衆尺度)/ 第2部 大衆の反逆―現代日本の検証(「科学的検証」とは何か/ 社会を裏切る「大衆」/ 議論できない「大衆」/ 政府に対する「大衆の反逆」)/ 第3部 大衆の起源―ヘーゲル、ニーチェ、ハイデガーの哲学(人間疎外による大衆化/ 運命から目を背ける「大衆」/ 非本来的な時間を生きる「大衆」)/ 第4部 大衆社会の処方箋(大衆社会の中で「社会的秩序」の形成を図る/ 「大衆性低減」のための三つの基本方略/ 「運命焦点化」を通した脱大衆化)

【著者紹介】
藤井聡 : 1968年生まれ。京都大学卒業後、同大学助教授、東京工業大学教授等を経て、京都大学大学院工学研究科(都市社会工学)教授、同大学レジリエンス研究ユニット長、ならびに第二次安倍内閣内閣官房参与(防災減災ニューディール担当)。専門は実践的公共政策論および人文社会科学研究。文部科学大臣表彰等受賞多数。各種メディア等での執筆活動等で盛んな言論活動を展開

羽鳥剛史 : 1980年生まれ。京都大学卒業後、東京工業大学助教を経て、愛媛大学大学院理工学研究科(生産環境工学専攻)准教授。専門は土木計画、合意形成論。09年に日本社会心理学会奨励論文賞、10年に土木学会建設マネジメント委員会論文賞を受賞。表現者塾(西部邁塾長)出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • さきん

    大衆社会に対する科学的な分析手法を紹介。社会哲学の方法論、大衆尺度、他者との議論、政府に対する信頼や公共事業をめぐる合意形成など、最後は一般人にもわかりやすく大衆社会に抗うためになにをすべきかを説く。研究者から一般人まで広い範囲の読者を想定している。

  • サメ鯨

     本書はオルテガの『大衆の反逆』を基に、社会の大衆化を検証している。現代の日本はすでに大衆化しており、治すのは絶望的。人々が利己的に行動すればその共同体はバラバラになり、最終的には亡国の可能性もある。完全に大衆化した人を治すのは(末期癌患者を治すのと同様に)不可能だが、まだ非大衆性を持っている人を治すのは可能。  これからの生活では、運命焦点化、独立確保、活物同期を意識していきたい。

  • 白玉あずき

    本筋からは外れるが、社会学研究の手法(尺度の開発、尺度の妥当性の検証)について学ぶことができて、自分の仕事にはかなり役立った。でも社会科学の研究に対して感じる、ある種のイカガワシサはやはり感じるのだった。「大衆」に対する研究者の嫌悪・侮蔑といった価値判断が、どうしても読み取れるので。「大衆」の傲慢性や自己閉塞性、自己中心性というのは、共同体のために自己犠牲を払わなくても生存できる「恵まれた環境」の中で生きているという事でもある。

  • ヒロ

    現代社会の諸問題の根源には「大衆」が存在する。傲慢性と自己閉塞性に満ちた大衆人は社会的ジレンマに直面すると、常に他者を裏切り、非協力的になる。そんな大衆を実証的研究データをもとに分析し、大衆社会への処方箋を提示している。ハイデガー、ニーチェ、そしてオルテガらの生の哲学、社会哲学をヒントに、精神の解釈学的循環(生の活力)をいかにして活性化させるのかを説く。「死生観」、「独立」、そして「伝統」。それらのうちに我々の内に僅かばかりでも眠っている「非大衆性」を呼び覚ますヒントが存在するのである。

  • ドクターK(仮)

    オルテガやニーチェ、そして西部邁氏といった思想家たちによる大衆批判の妥当性を、統計的•科学的に実証しているのが本書である。このことは、従来の大衆批判が十分に普遍的な有効性を持っていることを示すとともに、現代の日本の大衆社会化が深刻なレベルに達していることも含意していると言える。後半で述べられている、大衆化を防ぐための数々の方法は目からうろこ。本書が一人でも多くの「非大衆的」人間に読まれることを望まずにはいられない。

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