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水上勉 文学・思想・人生

藤井淑禎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784815810474
ISBN 10 : 4815810478
Format
Books
Release Date
November/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

事実と虚構のあわいに求められた道とは。文明を問う「社会派推理小説」によって出発した水上勉。だが、自らの生と重ねて「寺を焼き」「竹を削り」一休・良寛の境涯を跡づけつつ、ついには芸術と救済の向こうへと歩み出す。晩年の日々までその文業を初めて本格的に捉えた畢生の力作。

目次 : 1(『五番町夕霧楼』の復権/ 『雁の寺』から『雁の寺 全』へ/ 『越前竹人形』のその後 ほか)/ 2(公害問題と水上勉―文明vs.反文明の構図/ 『飢餓海峡』の達成/ 社会派ミステリーから日本型私小説へ、そして)/ 3(『蓑笠の人』と『良寛』とのあいだ―さまざまな帰郷/ 『才市』へと至る道/ 電脳暮しの日々―言葉を超えた世界へ)

【著者紹介】
藤井淑禎 : 1950年愛知県生まれ。慶應義塾大学卒業、立教大学大学院博士課程満期退学。東海学園女子短期大学助教授、立教大学教授などを経て、立教大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    水上勉は個人の体験や社会的事実と想像力を巧妙に組み合わせ、数々の名作を生んだ。『五番町夕霧楼』や『雁の寺』などは寺の小僧だった少年期あればこそだが、遠く離れた親への愛憎も深く関わっていた。『金閣炎上』で描かれた金閣寺放火犯との関係が、地図情報から成立しないことを証明する。社会小説とされる『海の牙』や『飢餓海峡』に、文明と取り残された人の相克の構図があるとは思いもしなかった。そうした作中人物と作者の密接な関係が失われた結果、私小説や評伝へと移行したのだ。貧しく激動した昭和を生き抜いた作家の根本を教えられた。

  • マカロニ マカロン

    個人の感想です:B。『越前竹人形』読書会の参考本。水上勉さんというと『飢餓海峡』、『金閣炎上』のイメージが強いのだが、この本の中で水上さんがミステリーを書いていた時期はかなり短く、すぐに日本型私小説に転向していくと書かれていて、これまでのイメージが変わった。確かに『竹人形』は父親との関係、母への思い、などミステリーではなく私小説的なテーマのようだ。『マダケは11月に伐れ」でそのまま「11月」が放置される理由も、ミステリーでないとすればありなのだろう

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