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驚異の量子コンピュータ 宇宙最強マシンへの挑戦 岩波科学ライブラリー

藤井啓祐

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000296892
ISBN 10 : 4000296892
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ひと昔前まで実現不可能とされてきた量子コンピュータを取り囲む環境は短期間のうちに激変した.従来の古典コンピュータを超越しうる不思議なからくりとは何か.いかなる歴史を経て現在に至り,どんな未来が待ち受けているのか.気鋭の若手研究者として体感している興奮をもって,わかりやすくかつ科学的な正確さを期して解説する.

目次
はじめに


第T部 物理学とコンピュータの歴史

 1章 量子力学の誕生
 古典物理学の限界/電子の奇妙なふるまい/物質(粒子)と波の統一/量子の性質

 2章 コンピュータと物理法則
 コンピュータの父バベッジ/アナログとデジタル/チューリングマシンの登場/情報科学の発展/デジタルコンピュータの発展/ムーアの法則とその限界

 3章 量子コンピュータの夜明け前
 情報科学と物理学の再会/計算にエネルギーは必要か?/古典万能計算/量子力学の可逆性に着目/量子コンピュータの登場


第U部 量子コンピュータの仕組み

 4章 量子情報と量子ビット
 量子の重ね合わせ/量子の情報を数値化する/量子ビット/エンタングルメント/神はサイコロを振る/パラドックスから応用へ/様々な量子ビット

 5章 量子コンピュータのからくり
 量子コンピュータへの拡張/たくさんの量子ビット/量子ビットを古典コンピュータで表現すると?/量子力学で古典コンピュータを理解し直す/0と1だけの世界から解き放たれたコンピュータ/並列性と干渉/素因数分解問題/ショアの素因数分解/量子ビットのいらない量子アルゴリズム

 6章 量子とノイズのせめぎ合い
 エラーとの戦い/量子ビットはノイズに弱い/量子情報はコピーできない/アナログコンピュータ/エンタングルメントで戦え/第一次ブームと停滞期/実現への壁

 7章 ブレイクスルー
 ヒントはエキゾチックな物質に/量子アニーリング/ギークたちによる究極のエンジニアリング/巨人たちが動く


第V部 量子コンピュータの挑戦

 8章 量子超越をめざして
 極限的に複雑な世界へ/計算の複雑さの測り方/物理現象の複雑性/量子超越への道筋/古典コンピュータとの戦い/グーグルの量子超越/自然を検証することの難しさ

 9章 量子コンピュータはスパコンに勝てるのか?
 NISQはノイズとの戦い/量子古典ハイブリッドアルゴリズム/量子コンピュータと人工知能/究極的な困難さへの挑戦

 10章 宇宙をハッキングする
 量子コンピュータがもたらす未来/量子コンピュータは宇宙の箱庭/宇宙をハックする/さいごに――量子の挑戦

【著者紹介】
藤井啓祐 : 1983年大阪に生まれる。2002年大阪府立天王寺高等学校卒業。2006年京都大学工学部物理工学科卒業。2011年京都大学大学院工学研究科博士課程修了(原子核工学専攻)。博士(工学)。大阪大学特任研究員、京都大学特定助教、東京大学助教、京都大学特定准教授を経て、大阪大学大学院基礎工学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • inami

    ◉読書 ★3.5 今年2月に読んだ『次のテクノロジーで世界はどう変わるか:山本康正』に、「近未来のテクノロジーの主役は、@5G Aクラウド B人工知能(AI)の3つのメガ(基幹)」という記述があったが、個人的には「量子コンピュータ」も世の中に大きなインパクトを与える(必要とされる)テクノロジーだと思っているので読んでみた。本書は「量子力学の誕生」に始まり、「量子コンピュータの仕組み」、・・「宇宙をハッキングする」まで、技術寄りというより技術オンリーなのだが、分からないながらも夢がある世界で面白かった!

  • さえきかずひこ

    量子は原子、それを構成する陽子や電子、中性子や光を粒子として考えた時の光子、ニュートリノといった、粒子と波の性質をもった極小物質のことで独自の物理法則に従う。それを体系化した学問が量子力学であり、その原理を適用・応用し、現在のコンピュータとは比較にならない膨大な計算を短時間で行う量子コンピュータが開発中である。3〜40年くらい経つとそれが高度なレベルで実用化され、科学・材料・医療などの分野に変革を齎す可能性があると展望を示し結んでいる。量子力学を知らなくても丁寧な説明で分かりやすく読めるお薦めの一冊です。

  • シタン

    アニーリング方式はアレだが、ゲート方式はまだ期待してたりする。この本は内容が浅すぎて特筆すべき収穫はなかった。AIとかデータサイエンスみたいにならないでね?(もうなってる?) 今後、量子コンピュータに対してどう距離をとっていくべきか。

  • しんすけ

    量子コンピュータに関する概論書。つまりこの本を読んで判ることは量子コンピュータは量子力学の応用であるということだけだ。 だが、どのようなことを学べば量子コンピュータ理解に近接できるかは明らかにされている。 第7章「量子コンピュータのからくり」を読むと、複素線形空間の知識が必要とされることが解る。 興味を持ったならばここから地味に学んでいけば、量子コンピュータが身近なものであることを知ることは可能なはずだ。 マルチネスが次のように言っている。

  • 月をみるもの

    Google 様による、量子超越性の解説: https://japan.googleblog.com/2019/10/quantum-supremacy-using-programmable.html

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