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アメリカのプロレスラーはなぜ講道館柔道に戦いを挑んだのか 大正十年「サンテル事件」を読み解く 集英社新書

薮耕太郎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087213775
ISBN 10 : 4087213773
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

一九二一年三月、講道館の嘉納治五郎の制止を振り切る形で柔道家と米国の強豪プロレスラーが靖国神社境内にて相まみえた。試合後に嘉納が門下生に処分を科して幕引きとなった一連の出来事は、「サンテル事件」と呼ばれる。本書はまず二〇世紀初頭に米国で人気を博した異種格闘技の興行に遡り、なぜ「サンテル事件」に至ったのかを明らかにする。それは同時に、やがてアントニオ猪木の異種格闘技戦が大きな流れをつくり現在のMMA(総合格闘技)に到達する原点ともなった、この歴史的一戦の意義を問い直す試みである。

目次 : 第一章 二人の柔術家、一人の柔道家―排日運動と異種格闘技戦(柔術ブームの後で/ 排日がもたらす〈異界〉 ほか)/ 第二章 ふたつの敗北、二様の意味―日系社会と柔術家・柔道家(斯界の寵児、帝国尚武会/ 怪しい通販業者 ほか)/ 第三章 相次ぐ挑戦、レスラーの彷徨―西海岸から内陸部へ(連勝ストップ/ サンテル、初黒星 ほか)/ 第四章 シリアスな試合、娯楽としての興行―一九二一年の日本社会と異種格闘技戦(精励忠実?軽挙妄動?/ 日系社会を追われて ほか)/ 第五章 不可能性と無意味性―「サンテル事件」の顛末(処分された関係者/ 苦境にあった町道場 ほか)

【著者紹介】
藪耕太郎 : 1979年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部准教授。立命館大学文学部文学科(英米文学専攻)卒業。立命館大学大学院社会学研究科(応用社会学専攻)博士後期課程修了。博士(社会学)。仙台大学体育学部准教授を経て、現職。専門は体育・スポーツ史。初めての著書『柔術狂時代 20世紀初頭アメリカにおける柔術ブームとその周辺』(朝日選書)が第四四回サントリー学芸賞(社会・風俗)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • こまごめ

    当時のいわゆる【興行】って怪しい興行師も多く、プロレスもその怪しさ含んでの試合だったように思う。 これは私見ですが、柔道はオリンピックで世界に爆発的に普及したが、格闘技としての側面をどんどん失ってしまい、本来柔道にあった足関節技などが無くなってしまったのは残念だが仕方ない事だと思う。 ブラジリアン柔術がその時に捨ててしまった技、グラウンドテクニックなどを残しているのは幸いだったと思います。 まだ薄くしか読んでいないので理解したら感想を書きます。

  • アサギハコブネ

    著者の選書の作品より個人へ比重を置いた物語として読めました 柔術家とサンテルたち職業レスラーと講道館柔道家たちの錯綜する物語が、力道山の時に興隆を極めたプロレスの前段階としてあったのかなぁとか思いました あくまで力道山は近代のプロレスの父という名のスターであって、プロレスを興行として盛り立てようとした人たちの物語も面白かったです サンテルというレスラーの存在が、近代の柔術の影響の大きさを物語る上で、とても重要なのだなぁとも思いました 凄まじいタフネスと胴着マッチでも強かった男の話として面白かったです

  • 於千代

    1921年、柔道家とアメリカのレスラーが靖国神社境内で相まみえた「サンテル事件」。二十世紀初頭のアメリカの異種格闘技興行の歴史に遡ることで事件の背景、経緯を明らかにする。 日本人の柔道家・柔術家とアメリカのボクサー・レスラーとの異種格闘技戦は、単なる格闘技興行ではなく、日本に向けられた好意や敵意、そして日本人移民のアイデンティティにも関わるものであったことがうかがえる。 まだ格闘技が現在の様にスポーツイベントになっておらず、半ば山師じみた興行師なども絡む、混沌とした時代特有の面白さを感じる一冊。

  • P-man

    初の著者で、そのうえ「サンテルって誰?講道館?なんか聞いたことはあるかも?」っていう自分がなぜ本書を積んでいたのかは我ながら謎ですが、おそらくなにかしらのオススメを目にしたのでしょう……そして、そんな自分でも面白く読めたのでびっくり。当時の日系社会の状況、本国柔道界の動向や価値観の変遷など、複雑な問題をわかりやすく解説してくれますし、プロと比べてのアマ、真剣勝負と比べての興行、そこに無意識の優劣をつけていた自らに気付かされる一冊でもありました。それにしても嘉納治五郎も大変だったんだな……w

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