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古代西アジアとギリシア 前1世紀 岩波講座 世界歴史

荒川正晴

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000114127
ISBN 10 : 4000114123
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

人間はどのように社会を築き、経済活動を始め、都市や国家や帝国を形成していったのか。都市・農村社会と遊牧部族社会の相互関係、狩猟採集民の複雑な社会構造。古代メソポタミア、シュメール都市国家、エジプト先王朝時代の王権や社会の諸相、エジプト第一八王朝の国際関係や宗教革命。ミケーネ宮殿王国からポリス都市国家、ヘレニズム世界へと連続して展開する宗教や文化。アテナイ社会におけるジェンダーのあり方、アッシリア帝国の形成と崩壊の過程、アケメネス朝帝国から見たギリシア像、教科書に記述される古代イスラエル史の問題点など―人間の「文明」をめぐる大きな問いに対し、考古学の最新の知見と、古代の西アジア・エジプト・ギリシアを同時代的に眺める視点により、多角的に応答する。

目次 : 展望(古代西アジア―新石器時代からヘレニズム時代まで/ ギリシアとヘレニズム―ポリスと周辺世界のダイナミズム)/ 問題群(古代オリエント文明の骨格―都市・農村社会と遊牧部族社会の形成/ 古代メソポタミアにおける神々・王・市民/ 古代ギリシアのポリス)/ 焦点(西アジア新石器時代における社会システムの転換/ 初期国家形成期のエジプト―ヒエラコンポリス遺跡にみる社会の複雑化/ シュメール都市国家における王権と祭儀 ほか)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • さとうしん

    ローマとセットにして西アジア地域と二項対立的に論じられがちだった古代ギリシアを西アジア史の文脈に位置づけたというのが特色ということになるだろうか。山花コラムで触れられている古代エジプトの女王が王朝末期に現れるというのは、日本の女帝と比較すると面白そうである。栗原焦点では古代ギリシアの少年愛について、愛され役の少年が長じて愛し役として成長しないと蔑視の対象となったというのが興味深い。阿部焦点のペルシアとギリシアが互いにどう見ていたのかという話も面白い。

  • MUNEKAZ

    扱う期間も地理的範囲も広い一冊。ただボリューム満点とはならず、なんとなく一個一個の論が食い足りないというか、「それで?」と思ったら終わってしまう勿体なさを感じる。せっかく前の岩波講座よりも範囲を広げたのだから、テーマを明確にして地中海世界のダイナミックな共時性や関係性を打ち出した方が良いのではと。西方と東方が出会うヘレニズム期なんて、まさに本書で扱う地理的範囲にうってつけだと思うが、スルーに近いのはどうなんでしょ。

  • kenitirokikuti

    図書館にて。えっと、2004年に日本オリエント学会による『古代オリエント事典』が岩波から刊行。それを受けて岩波ジュニア新書にも古代メソポタミア文明史の本が追加された(古代エジプト史ものも新たに追加)。楔形文字や神聖文字の解読は19世紀前半なので、ヘーゲルの歴史論にはそれらは含まれないはずだよな。インドと中国はちょっと扱われている。

  • 赤白黒

    対象は先史時代〜ヘレニズム期。所謂「地中海世界」の枠組を解体し、西アジアとギリシアを一体のものとして捉える。農耕牧畜の発祥にしても、ポリス社会の展開にしても、個別の地域研究の進展(主として考古学的成果)により、従来の概括的な議論が通用しなくなってきている。それはそれで興味をそそられるのだが、だからこそこれらを総括して何が得られるのか、研究者のセンスが問われる時代が到来していると感じた。ジェンダーの観点からアテナイ社会を捉えた栗原論文、ペルシア大王がもつある種の「中華思想」を論じた阿部論文が面白かった。

  • ポルターガイスト

    比較的マニアックな論考が多く,時代の総合的な見取り図を作れる概説にはなってなかったように思う。一つひとつ見れば面白いんだけど。でもこれは古代文明を扱うときの宿命みたいなものかと思う。世界史探究の授業をするときここはしょーみリストラ対象の単元なんだろうな。それこそすべての文明に共通する特質(文字,暦,青銅器,宗教のような)をおさえる目的を全面に出してパッパと進まないと興味持てない子はひたすら置いてかれるような授業運びになるのだろう。

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