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車椅子の横に立つ人 障害から見つめる「生きにくさ」

荒井裕樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791772902
ISBN 10 : 4791772903
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

なぜ車椅子の横に立つ人を、介助者と決めつけてしまうのか。既存の言葉からはみ出た日々をすくい取らない想像力は、生きにくさを生む。言葉が見つからないこと、言葉がまだないことこそ掘り起こさなくては、その正体はつかめない。消毒された詩原稿、病室で思いを受け止めたスケッチブック、路上にくりだした障害者―。自らの生きにくさを形にした人びとをめぐって、社会を問い返す。

目次 : 1 言葉にできない生きにくさの前で(車椅子の横に立つ人/ 生と死の「情念的語り」/ 「わかりやすさ」への苛立ち)/ 2 自覚なき悪意に息をうばわれる前に(生命と尊厳のために怒れるか/ 「殺意」の底を見据えること/ 憲法の断層―実存に響く言葉を求めて)/ 3 都合のいい言葉を押し付けられる前に(「がんばる健気な障害者」はどこから来たのか?―日本文学の中の障害者たち/ 「一階六号室」の修羅場―『さようならCP』が映したもの)/ 4 生きのびるための表現(情念の残り火―「心病む人」のアートを「観る/観せる」こと/ 名もなき言葉の断片たち―「“こと”としての文学」を読むために/ アートへの“希待”―「丘の上病院」という試み/ 「自己表現障害者」たち/ 生き延びるための「障害」―「できないこと」を許さない社会/ 「存在しないもの」にされた人の言葉)

【著者紹介】
荒井裕樹 : 1980年東京都生まれ。二松学舎大学文学部准教授。専門は障害者文化論、日本近現代文学。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • とみぃ

    いま、あなたの目の前に「車椅子に乗った障害者」と「その横に立つ人」がいたとする。この「車椅子の横に立つ人」は、どういった人物だろう。こうした質問に対して、多くの人は、この人物を「身内」や「介助者」と想像するという。これが「障害者」という要素を抜いてみた場合、「並び立つ二人」の関係は、あまりにも多彩で、想像の幅は収拾がつかないはずで、なぜ「障害者」という要素が付加された途端、人の想像はこれほどまでに狭まってしまうのか。そして、そうした人々の狭い想像力に囲まれながら生きるとは、どういうことなのか。

  • イボンヌ

    最近気になっている研究者の本です。 文章に情熱を感じます。 障害者の歴史を研究されている方です。

  • tellme0112

    また自分が想像できてなかった世界を見た気がした。憲法で守られている感覚なく生きている人がいた。いつ殺されるか、存在することすら許されないと社会に言われるかのように、生きている方がいる。日本で暮らす、非正規滞在の生活者や入管法のことを思いながら。私はどんな社会を残したいか。

  • manabukimoto

    車椅子の横に立つ人を、私たちは「介助者」「家族」と見てはいないだろうか?無意識に車椅子に乗る人を「助けられる人」という見方で固定していないだろうか? 「とても逆説的に聞こえるかもしれないけれど、こんな「生きにくい」社会だからこそ自分の中にある「障害」的な部分に自覚的であった方が、少しでも「生きやすさ」のかけらを手にできるのではないか、とも思う。」p192 相模原殺傷事件や尊厳死の法制化、京都ALS嘱託殺人など、「障害」に関することばが溢れる中、道標になるような示唆に富む一冊。

  • 瀬希瑞 世季子

    『憲法の断層 実存に響く言葉を求めて』がよかった。「青い芝の会」やウーマンリブにおける憲法の不在。憲法は権利の主張には使えても、「内なる優生思想」や「健全者幻想」といった〈自虐的な痛み〉に対しては有効ではなかったのかもしれない。憲法に否定的な見解を持っていた横田弘について〈彼らが問題にしたのは、憲法なんかよりでかいこと〉と言った立岩真也は流石だなとおもった。

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