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凛として灯る

荒井裕樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784768435922
ISBN 10 : 4768435920
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1974年4月20日、東京国立博物館で開催された『モナ・リザ展』一般公開初日。「人類の至宝」と称されるこの絵画に、一人の女性が赤いスプレー塗料を噴射した。女性の名前は米津知子。当時25歳。「女性解放」を掲げたウーマン・リブの運動家だった。なぜ、彼女はこのような行動に及んだのか。女として、障害者として、差別の被害と加害の狭間を彷徨いながら、その苦しみを「わたしごと」として生きるひとりの、輝きの足跡。

目次 : 1章 恩情と締め出し―『モナ・リザ展』と障害者/ 2章 道徳律の思春期―補装具とストッキング/ 3章 バリケードの青春―大学闘争と美共闘/ 4章 女たちの叛乱―ウーマン・リブの誕生/ 5章 草原の裸体―リブ合宿開催/ 6章 拠点の旗揚げ―リブ新宿センター開設/ 7章 産むか産まぬかは女が決める―優生保護法改悪阻止闘争/ 8章 女への不信―怒れる障害者たち/ 9章 惨めなわたし―車椅子と歩道橋/ 10章 わたしに罪はない―裁判闘争

【著者紹介】
荒井裕樹 : 1980年、東京都生まれ。専門は障害者文化論、日本近現代文学。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。二松学舎大学文学部准教授。障害や病気とともに生きる人たちの自己表現活動をテーマに研究・執筆を続ける。2022年、第一五回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ネギっ子gen

    【動機を知るには、歩んだ人生を知る必要がある】「モナ・リザ」にスプレーを噴射した、米津知子。女として、障害者として、差別の被害と加害の狭間を彷徨った、ウーマン・リブ活動家の足跡。著者は、<冷静かつ淡々と、しかし揺るぎない信念のこもった語り口に、私は凛として灯るような情念を感じました。/人には、人生を語ることでしか語り得ない動機や理由があるはずです。ならば、その生の足跡を分析したり解釈したりするのではなく、無数の経験のつらなりとして語る必要があるのではないか。そうした語りに相応しい文体を模索しました>と。⇒

  • かさお

    1974年モナリザ、スプレー噴射事件から見える無自覚な差別問題を紐解く1冊。庇護という名で障害者や妊婦などを美術館が入場拒否する様指示した国への抗議活動を起こした米津知子。彼女は女性、障害者、どちらにも当てはまる。無自覚な差別との闘いは、生皮を剥がされる様な痛み。血を流しながら懸命に闘ってきたウーマンリブの歴史も分かりやすく目が覚めるような思いで夢中で読んだ。リブの「痛みに鈍感な女たちよ、欲情せよ」という言葉が突き刺さった。50年経てども色褪せない問題。幼い頃、無自覚に世間の常識へ迎合していた事を恥じる。

  • ミーコ

    タイトルに惹かれて手にした1冊。米津知子と言う人が何故モナリザの微笑み にスプレーを噴射したのか。。読み解いて行くと、理由が分かります。生まれてから幼少期に障がい者になった知子。言いたい事が伝わってきます。ウーマン,リブの活動を始めて知りました。

  • 遊々亭おさる

    1974年、国家的事業とも言える『モナ・リザ展』が国立博物館で開かれ、人類の至宝と称されるこの作品を一目見ようと集まった人々の中に右足が不自由な女性の姿があった。彼女はモナ・リザの前に立ち、おもむろにその微笑をめがけてスプレーを噴射する。彼女は何故、このような蛮行に及んだのか?女性であり障がい者である。弱者即ち差別される者がウーマン・リブ運動や障がい者運動と関わるなかで築き上げた「譲れぬ思い」を知る。時には過激さも伴った当事者の運動を通して現代にも色濃く残る強者の論理を見る。意趣返しの一円玉の悪戯は痛快。

  • この人はその時代性にたいそう嫌われるだろう、しかし後世には敬われるだろう…そういう人が今も昔もいる。1974年モナ・リザスプレー事件の実行犯。女性運動、障害者運動に常に当事者として奔走した米津知子の半生。優生保護法の変遷についても詳しい。 ──「清く、貧しく美しい身障者のイメージの粉砕」「私の肉体が、それが美でも醜でもないところに解き放たれるとき、それが私の解放だ」 身障者である自分の姿の美醜、健常であったとしても女としての美醜、自己が美醜から解放されてもまだある社会圧。壁は分厚く、敵は大きい。

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