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台湾の半世紀 民主化と台湾化の現場 筑摩選書

若林正丈

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480017840
ISBN 10 : 4480017844
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1972年日中国交樹立によって、日本は中華民国(=台湾)と断交した。その同じ年に大学院に進学、研究をスタートさせた著者の研究人生は奇しくも台湾が民主化し、中国とは明らかに異なるアイデンティティ(=台湾化)へと進んだ道程と重なる。政府要人や台湾人研究者、歴史的事件の関係者との交流…。いまや中国は経済的にも軍事的にも大国となって、アメリカのライバルへと躍り出た。黎明期から台湾を見つめ続けた著者が、米中両大国に翻弄されつつも主体性を模索する台湾のこれまでを振り返り、現状と今後のゆくえを分析する。

目次 : プロローグ 台湾現代史における一九四九年と一九七二年/ 第1部 民主化の現場を歩く―オポジションから入る(日台断交の頃―台湾研究事始めと初めての台湾訪問/ 民主化の胎動に触れる/ 「自由の隙間」に立ちあがる台湾ナショナリズム/ 国民党一党支配の揺らぎ/ 民主化と「バランサー」李登輝の闘争―「憲政改革」の政治過程を見つめる/ 日本台湾学会の設立―台湾理解の知的インフラ)/ 第2部 台湾化の脈動を見出す―アイデンティティの政治の背景に眼をやる(船出する新興民主体制―総統選挙が刻む政治のリズム/ 大国の狭間で―「中国要因」の政治の登場と米中の対立/ 中華民国台湾化論を提起する―台湾政治研究の曲がり角で/ 中華民国台湾化の不均衡な展開―新興民主体制下の国家再編と国民再編)/ エピローグ パフォーマンスする主権―「台湾の定義はまだできていない?」

【著者紹介】
若林正丈 : 1949年長野県生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院社会学研究科国際関係論修士課程修了(国際学修士)、同大学院博士課程退学。社会学博士(東京大学、1985年)。在香港日本領事館専門調査員、東京大学教養学部助教授、同大学院総合文化研究科助教授、教授を経て、早稲田大学政治経済学術院教授、早稲田大学台湾研究所所長、台湾・政治大学台湾史研究所兼任教授などを歴任。『台湾―分裂国家と民主化』(東京大学出版会)、『〓経国と李登輝』(岩波書店)などで1997年サントリー学芸賞受賞、2008年刊『台湾の政治―中華民国台湾化の戦後史』(東京大学出版会)でアジア・太平洋および樫山純三賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 榊原 香織

    著者の研究史、裏話なども。 激動の台湾現代史をまじかで見てこれた人。凄いな。台湾45回くらい行ったけど、そういう現場とは縁がなかった。 謝長廷氏の若い頃の写真、逸話が出てて驚く。私が所属してる中国拳法の国内演武会にゲストとしてきた人。超人気の政治家だったそうで。

  • coolflat

    267頁。台湾政治がおかれている国際政治の環境は、米中両大国が台湾問題を巡って一方で妥協し、一方でせめぎ合う関係にある。中国は、中国は一つであり、台湾は中国の不可分の領土であり、国際社会では中華人民共和国のみが中国を代表するとする。これが「一つの中国」原則である。米国は、国際社会での中国の代表権を認め台湾との関係を「非政府間関係」に限定する形にするが、台湾の主権についての中国の主張には同調せず、現に存在する台湾海峡両岸の政治的対峙は平和的に解決されるべきであるとする。これが米国の「一つの中国」政策である。

  • さとうしん

    台湾政治研究の泰斗による、半世紀にわたる研究と「選挙見物」などの現地滞在記。同時刊行の同じ著者の『台湾の歴史』の舞台裏のような内容。そして同書の後の政治状況も補足としてまとめられている。著者の研究生活はほぼ台湾の民主化、あるいは「中華民国台湾化」、更には日本で台湾に対する印象が変化していく過程と重なっており、ダイナミックである。政治研究者としては当たり前だが、後々政界の大物となる人物とも早くから接触している。台湾政治研究を語る言葉として「動いているものは面白い」というのが印象に残った。

  • takao

    ふむ

  • rineoskiss

    台湾研究の第一人者の研究人生回顧と80年代以降の台湾政治の変動を記した本。論文とは違う研究の裏側的エピソードが面白かった。民主化移行期の雰囲気について研究者の視点か語られていて良かった。チャイナファクター論とか最近の動きはある程度読んできたが、しっかり学んでこなかった通史的な理解の足がかりになったと思う。

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