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階層化日本と教育危機 不平等再生産から意欲格差社会へ

苅谷剛彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784842085258
ISBN 10 : 4842085258
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2001
Japan

Content Description

誰の学力が落ちているのか。日本的平等観にとらわれた、実態把握抜きの教育改革論議の盲点を突く、分析と緊急提言。〈受賞情報〉大佛次郎論壇賞奨励賞(第1回)

【著者紹介】
苅谷剛彦 : 1955年東京生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、Ph.D.(社会学)を取得。ノースウェスタン大学客員講師、放送教育開発センター助教授等をへて、現在、東京大学大学院教育学研究科教授。専攻は教育社会学、比較社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • きいち

    もっと早くに読んどくんだったな。◇現在を読み解く本に必ず参照文献に挙がっている一冊。学力格差の歴史を記し、意欲の格差へ。努力は意志の賜物ではなく、それを可能にする環境=文化資本の格差の証。そして、勉強しないことを自己肯定に導く回路の存在まで浮き彫りにする。◇ここからだ、プラグマティックに現実を少しでもと願い行動するなら、これを冷徹に認識しておかねば。◇とはいえ、ここでの「努力」は、学校外での学習時間を指標としたもの。そこに突破口はある。生きる力もハイパーメリトクラシーも、この網をすりぬけられるなら肯定だ。

  • えちぜんや よーた

    人間は、どのようなインセンティブがあれば、学習意欲が喚起されるか?という疑問から本書を読みました。前半では、かつて日本の大部分を占めていた、農家世帯の「跡取り以外の子女」が、都市での職を得るために、高学歴化したところから、問題提起を行っています。かつては、「せめて高校ぐらいは出しておかねば」という、親の思いが、学習のインセンティブを高めていました。90年代に入ると、受験競争についての認識が変化し、競争圧力を教育の世界から取り除かてきたため、学習のインセンティブが、なくなったと論じられています。

  • 山のトンネル

    ★★★★学ぶこと、趣味を謳歌することそういったものをする「動機付けの段階で格差」が生じている。そして、その格差は社会階級からくるものであることを論じている1冊。

  • Nobu A

    苅谷剛彦先生著書8冊目。2001年初版。動機付けは学習だけに留まらず仕事や趣味と多岐に影響を及ぼす。教育社会学専門家が国内教育の変遷の中で筆者が称する「意欲格差社会」へどのように移行したか実証的研究を基に検証。厳密な枠組みでの文化資本の精査や一つのデータ(例:学習時間)を複眼的視点で捉えて厳選な仮説を打ち立て様々な考察を行う手法に感服。他方で、雑多な印象の社会学関連は相変わらず難しい。後半流し読み読了。あらゆる面での格差拡大が進行。教育の影響は計り知れない。教育はどこへ向かい、何が出来るのだろうか。

  • 客野

    データをもとにした考察が素晴らしかった。日本の教育界が社会階層の問題とどう向き合ってきたのか(向き合ってこなかったのか)、それによって今どうなっているのかを示している。自分が今まで自明だと思っていたことを覆されるインパクトがあった。そういえば、私が高校生の時に読んだ同和問題のテキストには、このような1文があった。「同和問題に対して、『寝た子を起こすな』ではいけない」。教育のタブーに触れるこの本も、同じようなメッセージを含んでいる。

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