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書くことの戦場 後藤明生金井美恵子古井由吉中上健次

芳川泰久

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784860420178
ISBN 10 : 4860420179
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2004
Japan

Content Description

後藤明生、金井美恵子ら作家たちのあまり注目されてこなかった作品の内に、新たな価値を創設し、従来の読みを変更するような地平を見出す。誰よりもあたたかな視線を持つ批評家の、誰よりも真摯な思考の集成。

【著者紹介】
芳川泰久 : 1951年埼玉県生まれ。1981年早稲田大学大学院博士課程修了。現在、早稲田大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • zumi

    そこで取り上げられている作家の全ての作品を読みたくなってくる。実にアツくて素晴らしい批評だった。書くこと、それは戦いを遂行することに他ならない。後藤明生は「不参加者」としての自覚を持ちながらも、食べることによって占領された発語器官を、書くこと・語ることの領域に奪い返そうとする。一方、金井美恵子は、食欲の失調から嘔吐を引き寄せ、摂食器官はおろか、発語器官そのものを封じこめ、言語というフィールドそのものへの問いを突きつける。彼らの小説は、言葉の領土・境界線をめぐる戦場となるのだ。

  • なめこ

    主題論批評=テマティスムを、細部の意味を網目のように組織化しテクストの再現性に資することで言葉それ自体の、書くことそれ自体の生動を阻むものとして批判的に捉えている視点がとても刺激的だった。特に金井美恵子のテクストを浸している<水>についての論考が面白い。テクストの有機体化=テマティスムにぎりぎりのところで抗うことができる金井美恵子、そして中上健次の戦略を読みとってしまう著者の文学への熱を感じる。

  • 浅見和重 Kazushige Asami

    細部への偏愛。論じている作品、作家はかつて私も熱心に読んだ。

  • s_i

    脱領土化ァ!(ドン!)

  • K

    後藤明生と金井美恵子について〈団地〉と〈献立〉を前線とした〈書くこと〉の戦いであるという面白い切り口から鋭く分析する。明生が『挟み撃ち』において様々な文学作品を横断的に語っていることを「脱領土化」と名付けてポストモダン的な〈引用〉と線引きをした点は自分が読んだ感覚と近い。ゴーゴリの『外套』や永井荷風の『濹東綺譚』をなぞるだけの作品ではなく、その言葉までも吸収してしまっている点で『挟み撃ち』は稀有な作品なのだろう。金井美恵子の作品もかなり読みたくなった。

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