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難民たちの日中戦争 戦火に奪われた日常 歴史文化ライブラリー

芳井研一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784642059091
ISBN 10 : 4642059091
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日中戦争の全面化は、中国大陸で戦禍を逃れて流浪する厖大な戦争難民を生んだ。都市爆撃が戦争の展開にもたらした影響や、国民政府と中国共産党の難民救済対策などに光を当て追跡。従来の“日中戦争史”に一石を投じる。

目次 : かえりみられなかった戦争難民―プロローグ/ 日中全面戦争と華北難民/ 華中の戦場と難民/ 空爆と難民/ 難民救済/ アジア太平洋戦争期の難民/ 難民問題の波紋/ 戦争の拡大と奪われた日常―エピローグ

【著者紹介】
芳井研一 : 1948年石川県に生まれる。1975年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。新潟大学人文学部・同大学院現代社会文化研究科教授を経て、新潟大学名誉教授、博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Toska

    虐殺や略奪だけが日中戦争の悲劇ではない。等閑視されがちな難民問題に真正面から挑んだ労作。戦争に難民はつきものだが、日本軍が統一的な戦略を持たず場当たり的な攻勢を繰り返したため、なおさら難民が生じやすいメカニズムが出来上がっていた。作戦の規模が拡大するごとに難民の数は増え、大陸打通作戦で頂点に達したという。史料の絶対的な不足により隔靴掻痒の憾みはあるが、とにかくこのテーマで一冊書かれたことは重要。

  • yoneyama

    シリア難民、満洲難民といろいろ読んできたけれど、太平洋戦争を始めて有耶無耶になってしまっていたあの長い長い日中戦争は、あれだけの人口を抱える中国大陸を無政府状態の無法地帯にして何もかも焼き尽くし、外国軍侵略という激甚災害が10年近くも続いたのにあまり実態を知らなかった。日本は戦争末期の被害意識で、加害時代をサッパリ忘れていたのか?少なくとも私は。空から人々の上に爆弾を降らせたのはアメリカより先に日本海軍だったことをよく憶えておきたい。

  • みさと

    ある日戦争がやって来て平和な日常が奪われた。日中戦争によって、戦禍を逃れて流浪する数千万人に上る戦争難民が生まれた。日本軍占領地での治安作戦が、執拗に繰り返された都市への無差別爆撃が、掠奪に頼る日本軍の行動が、さらなる難民を生んだ。日本軍も傀儡政権も難民救済には無策のままだった。国民政府は難民を移住させて開墾・定住化させる計画を立てたものの、救済にはつながらなかった。住民に対する無差別爆撃が米国の対日世論を硬化させ日米戦争につながり、難民を組織化した共産党が日本軍を追い詰める。日本が戦争さえしなければ。

  • どら猫さとっち

    多くの戦争が、多くの人たちに日常を奪い、苦しめられていたように、日中戦争も難民を生み出した。私たちは戦争で得るものは、禍しかないことを歴史から学んできた。しかし、一方で戦争を賛美したりする傾向がある。本書を読み、改めてそのことを強く感じさせた。戦争がもたらす禍、悲劇。血塗られた歴史は美化できない。もしこの事実を否認するなら、この国は破滅の一途をたどることなるだろう。

  • 天茶

    ★★★☆☆

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