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歴史なき時代に 私たちが失ったもの 取り戻すもの 朝日新書

與那覇潤

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022951236
ISBN 10 : 4022951230
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

大切なのは、歴史学それ自体ではなく、私たちが過去から受け取るギフトである「歴史感覚」をどう継承していくかだ。コロナ禍による自粛の強要で、世の中がまるで戦時体制の再来となっても、日本の歴史学者たちは、何もしなかった。孤独なままに群れあい、同調しない者を叩く風潮がウィルス以上に人々から尊厳と暮らしを奪ったことを、忘れてはならない。私たちの社会に共感の基盤を作り直そう。歴史とは本来そのためにある。一貫して世相と闘ってきた歴史学者による渾身の提言。

目次 : 第1章 インタビュー 歴史学の埋葬から再生へ/ 第2章 理論 歴史なき時代のヒント/ 第3章 時評1 歴史学者かく戦えり―自粛の「戦時体制」に抗う/ 第4章 時評2 人文学には何ができたか―ポストコロナへの青写真/ 第5章 時評3 そして新たな危機へ―菅義偉政権考/ 第6章 対話 歴史はよみがえるのか

【著者紹介】
與那覇潤 : 1979年生まれ、歴史学者(日本近代史・同時代史)。2007年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。同年から15年まで地方公立大学准教授として教鞭をとった後、病気休職を経て17年離職。現在は在野で活動。話題書多数。20年、『心を病んだらいけないの?』(斎藤環氏と共著、新潮選書)で小林秀雄賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    與那覇さんの怒りが炸裂し刺激的な一冊。現代を抉る鋭い言葉が並ぶ:能力の忖度、にわかポスコロ、ハッシュタグの正義が歴史を滅ぼす、ネットで代替できるのか、ニヒリズムというウィルス…。昭和天皇晩年の自粛同調圧力や、原発事故の危機を煽るデマの経験が生かされないことに、歴史学者としての悔恨がある。エビデンス主義の危うさを指摘し、大事なのはtruth(真実)ではなくtruthfulness(真摯さ)だと。本書の個々の指摘に、私自身は、賛成6割・不同意4割といったところだが、自らの信念で熱く語る著者の誠実さは清々しい。

  • nnpusnsn1945

    いくつかの論評や対談を纏めた本。著者の俯瞰的な視点は面白い。学術会議の任命拒否は問題だが、抗議側にも腑に落ちない点もあったらしい。(大学の閉鎖に何故抗議しない?等)実証主義にこだわっても修正主義者が猖獗する現実は皮肉である。私は国粋主義者は嫌いゆえ実証派の方に与するが、あまり史実に拘泥しすぎても論破してやったりのようで気持ちの良いものではないのも確かである。(著者も現実的な忠臣蔵なんて誰も見たがらないと述べている。)辻田真佐憲氏の『超空気支配社会』と類似している箇所が結構あるので、合わせて読むと良い。

  • Sam

    予備知識なしで読み始めたせいか最初は同業者(歴史学者)に噛み付くだけの内輪揉めの本か?と誤解しかけたが、読み進むうちに決してそんなことはなく、少々熱量は多めだが実は真摯な思想家(すでに「歴史学者」は廃業した由)であることが分かったし、鋭い着眼点や批評に感心させられる箇所も多々あった。「歴史」の意味や存在価値について考えさせられる、読み応えのある一冊。一方で、インタビューから始まってコラムや書評、最後は対談というかなり盛り沢山な構成になっているため、散漫な寄せ集めという印象が拭えないのも事実。

  • 南北

    コロナ禍において「歴史感覚」のない言論が横行したことの批判と同時期の書評やコラム、さらには対談をまとめたリベラル系の「元歴史学者」の本である。インフルエンザなどでどう対応したのかを無視して、自己の恐怖感覚を満足させるために「歴史感覚」のない言論を信じ込むという批判には同意できる点があったが、同意できない点もかなりあった。まずTruth(真実)よりもTruthfulness(真摯さ)の方が大切だとし、「共感」を高めるべきだとしているが、必要なのは「共感」ではなく一見理解不能なことを「解明」する作業だと思う。

  • ころこ

    歴史学者廃業を聞いたとき、これからの活動はどうするのだろうかと不思議に思ったのですが、本書を読むと発言の意図が分かります。本書は主にコロナ到来後の文章やインタビュー対談です。印象的だったのは、ここ2年位の著者の旺盛な活動ぶりと、それを突き動かしている反時代的な問題意識についてです。実証主義的な歴史なき風潮に対し抗うことよって、自ら培ってきた〈歴史〉意識を守ることが歴史学者ではないことの宣言だったと理解できます。思えば『中国化する日本』の再帰的近代と、フーコー的なメタ歴史学の様な本書は案外と一貫しています。

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