Books

女帝の古代王権史 ちくま新書

義江明子

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480073815
ISBN 10 : 4480073817
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

卑弥呼、推古、持統…、古代の女性統治者/女帝はどのような存在だったのか。かつては「中つぎ」に過ぎないと考えられていたが、この四半世紀に研究が大きく進み、皇位継承は女系と男系の双方を含む「双系」的にものだったことがわかった。七世紀まで、天皇には女系の要素も組み込まれていたのだ。古代王権史の流れを一望し、日本人の女帝像、ひいては男系の万世一系という天皇像を完全に書き換える、第一人者による決定版。

目次 : 古代双系社会の中で女帝を考える/ 1 選ばれる王たち(卑弥呼から倭五王へ/ 世襲王権の成立)/ 2 王権の自律化をめざして(推古―王族長老女性の即位/ 皇極=斉明―「皇祖」観の形成/ 持統―律令国家の君主へ)/ 3 父系社会への傾斜(元明・元正―天皇と太上天皇の“共治”/ 孝謙=称徳―古代最後の女帝)/ 国母と摂関の時代へ向けて

【著者紹介】
義江明子 : 1948年生まれ。1971年、東京教育大学文学部史学科卒業。1979年、東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、帝京大学名誉教授。文学博士。専門は日本古代史。著書に『日本古代女帝論』(塙書房、角川源義賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • やいっち

    本書の内容は、「卑弥呼、推古、持統…、古代の女性統治者/女帝はどのような存在だったのか。かつては「中つぎ」に過ぎないと考えられていたが、この四半世紀に研究が大きく進み、皇位継承は女系と男系の双方を含む「双系」的にものだったことがわかった。七世紀まで、天皇には女系の要素も組み込まれていたのだ。古代王権史の流れを一望し、日本人の女帝像、ひいては男系の万世一系という天皇像を完全に書き換える、第一人者による決定版」に尽きる。

  • 南北

    推古天皇から称徳天皇までの女帝は男帝が即位するまでの「中継ぎ」とされてきた見解を批判した本です。女帝にも政治的な実力がある場合が多く、譲位後も政治的な関与を行ってきた場合があるとする見解は興味深く感じました。こうした点を双系社会という用語で捉えようとしていますが、いくつか疑問点が残りました。例えば母方の祖母の父が天皇の場合「女系」としていますが、母方をたどって女性天皇に行きつく場合が女系ですので、違和感が残りました。

  • nagoyan

    優。日本(倭)の古代王権は父系母系の双系社会であり、また、統治者として求められる資質は長老であったとする。ここから、文献を当時の政治情勢に照らして虚心坦懐に読み解くことにより、後代(特に近代)に成立した視点から自由に女帝の姿を捉える。それは、「中継ぎ」などではなく、まさに統治する王者としての女帝の姿である。武則天や善徳・真徳など東アジア全体にも目を配り、推古、皇極=斉明、持統、元明・元正、孝謙=称徳、という女帝の流れが、形を変えて藤原明子皇太后の後宮支配を通じて摂関政治へと結びついていく流れを骨太に描く。

  • さとうしん

    『つくられた卑弥呼』の続考。推古〜孝謙・聖徳を中心に、古代の女帝が男系継承を前提とした中継ぎというような軽い存在ではなかったこと、古代の皇位継承が族内婚を前提とした男女双系的なものであり、長老女性と年少男性による共治がパターン化しつつあったこと、草壁が皇太子であったというのは後付け的な理解であることなどを論じ、天皇位について男系継承とは別の伝統があり得たことを示している。

  • (k・o・n)b

    男性史観・皇国史観の影響から今の天皇制が変わらず太古から続いてきたと考えてしまい女帝の存在もその流れの中で評価されがちだが、そんな凝り固まった思考をほぐしてくれる感じが読んでいて痺れた。これぞ読書の醍醐味だなー。群臣による共立という側面が強かった時代は同年代の実力者であれば男女を問わず擁立され推古の即位に繋がった。斉明=皇極の時代からは世襲の要素が濃くなり、高齢女性が若い男性を補佐するパターンが続いた。女帝の即位や重祚という例がなぜ古代のこの時期に集中したのか、王権の成立過程と併せて考えると納得感がある。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items